両耳が切られた状態で発見された、捨て猫に「耳」をプレゼントした女性
両耳を切除された状態で発見された猫に、ある女性が贈った特別なプレゼントが感動を呼んでいる。
2日(現地時間)、動物専門メディア「ザ・ドド(The Dodo)」がエリン・パーカー氏の体験談を報じた。
パーカー氏はこれまで多くの捨て猫を保護してきた経験があり、最近では「スウィートピー(Sweet Pea)」と名付けた猫を一時的に保護している。この猫は、米アーカンソー州中部の駐車場で、ベストフレンズ動物協会(Best Friends Animal Society)によって救助また保護されたのだが、当初から他の猫とは異なる特徴を持っていた。
通常なら立っているはずの両耳が欠けていたのだ。詳細は不明だが、恐ろしい経験をしたことは明らかだった。しかし、これまでの経験にもかかわらず、スウィートピーはパーカー氏の家に到着するとすぐに彼女に寄り添い、信頼する姿を見せたという。
パーカー氏は「スウィートピーはとても人懐っこく、以前はきっと誰かに大切にされていたのだろう。ぎこちなさもなく、恥ずかしがる様子もない。むしろ、こちらの気を引こうとしているようだ」と振り返った。
スウィートピーはパーカー氏と暮らす中で、少しずつ新しい環境に馴染んでいった。そんなスウィートピーに、パーカー氏は特別なプレゼントをしようと決めた。それは、「耳」だった。
パーカー氏は「スウィートピーに、他の猫とは違うという疎外感を感じてほしくなかった」と語った。
そこで彼女は、手先の器用な友人に、スウィートピーにぴったりの耳を編んでほしいと頼んだ。完成した耳は非常に可愛らしく、スウィートピーによく似合っていたという。スウィートピーはその大きな耳をパタパタさせながら、上機嫌で家中を駆け回り始めた。
新しい耳と共に、新しい家族も
YouTube「ベストフレンズ動物協会」
パーカー氏はスウィートピーとの時間を楽しんでいたが、同時に新しい耳が養子縁組に必要な関心を引き寄せるきっかけになることを願っていた。彼女はスウィートピーの耳の怪我が養子縁組の障害になるのではないかと心配していたのだ。
彼女の思惑は見事に的中した。ベストフレンズ動物協会が新しい耳を付けたスウィートピーの写真を投稿すると、すぐに新しい家族が現れた。
スウィートピーを引き取った女性は「ザ・ドド」のインタビューで「スウィートピーは元気にしている。すぐに家にも馴染み、おもちゃで遊んだり、窓辺に座るのが大好きだ。耳も完治し、傷のことは全く気にしていないようだ」と近況を伝えた。
パーカー氏は「スウィートピーの物語を通じて、ペットを迎えようとする人たちが、怪我や身体的な違いを持つ動物たちにも目を向けてくれることを願っている」と訴えた。
続けて「スウィートピーとの別れは悲しかったけれど、愛する家族が見つかりとても嬉しかった。新しい家族の元に向かうとき、スウィートピーが最も大切にしたものを持っていった。それは編んだ耳だ。耳がなければスウィートピーは安心して旅立てなかっただろうから」と語った。
スウィートピーが新しい家族と共に幸せに生きていくことを心から願っている。