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2024年12月23日月曜日
ホームトレンドおもしろ55円のバナナが10億円に化けた!? 壁にテープで貼るだけのアート作品に世界が震撼

55円のバナナが10億円に化けた!? 壁にテープで貼るだけのアート作品に世界が震撼

イタリアのアーティスト、マウリツィオ・カテランが壁にテープでバナナを貼り付けた作品「コメディアン」が、アメリカ・ニューヨークのオークションで数十億円で落札され、大きな注目を集めている。

20日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、「コメディアン」はニューヨークのサザビーズオークションで予想を大幅に上回る620万ドル(約9億6,000万円)で落札された。購入者は、中国出身の仮想通貨プラットフォームを創設した実業家ジャスティン・サンであることが判明した。

落札者は、バナナ1本と粘着テープ1ロールに加え、バナナが腐るたびに交換する方法を記載した設置マニュアルと真正証明書を受け取ることになる。

カテランがこの作品を初めて公開したのは、2019年にマイアミビートで行われたアートフェアである。壁に粘着テープで貼り付けられた1本のバナナだけというシンプルな構成は、当時、多くの観覧者に衝撃を与えた。

また、この展示中には、あるパフォーマンスアーティストが観覧者の目の前で壁のバナナを剥がして食べるという出来事も話題となった。この騒動により、主催者は観覧客の殺到を理由に展示を撤去する事態に追い込まれた。

作品は3点のエディションで構成されており、2019年当時、それぞれが12万~15万ドル(約1,800万円~2,300万円)で販売された。そのうち1点は後にグッゲンハイム美術館に寄贈され、残る2点は個人が所有しているという。今回のオークションに出品された作品の前所有者については明かされていない。

オークション前、作品の価格は100万~150万ドル(約1億5,000万円~2億3,000万円)と推定されていたが、6分間の激しい入札の末、最低推定価格の6倍以上の価格で販売された。

入札は80万ドルから始まり、わずか20秒で最高推定価格の150万ドルを突破。その後、オンライン入札者と電話入札者の間で競り合いが続き、最終的には620万ドル(約9億6,000万円)で落札された。

香港から入札に参加したジャスティン・サンは、「カテランの作品はアート、ミーム、仮想通貨コミュニティを結びつける文化現象を象徴している」とし、「数日以内にこのバナナを直接食べることで、芸術史と大衆文化におけるその位置を称えるつもりだ」と述べた。

NYTは、「数年間、美術界で論争を巻き起こしてきたバナナが売却された」とし、「おそらく世界で最も高価な果物になったが、数日以内に捨てられる運命だろう」と評した。

ちなみに今回のオークションで使用されたバナナは、オークション前にマンハッタンにある果物屋で35セント(約55円)で購入されたDoleブランドの製品だったという。

バングラデシュ出身の果物屋の店主は、自分が販売したバナナが元の価格の数千倍で落札されたことを知らなかったという。

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