マネキンの代わりにランニングマシンで実際のモデルを歩かせた中国アパレルブランド…物議を醸す
中国の有名アパレルブランドが、マネキンの代わりに、ランニングマシンの上で歩くモデルに衣服を着用させて展示する手法を採用し、議論を呼んでいる。
オンラインメディア「オディティ・セントラル(Oddity Central)」によると、中国の人気アパレルブランド「ITIB」が昨年12月に公開した動画が、労働搾取の疑いで批判を浴びていると報じられた。
ITIBのマーケティングチームは、プラスチック製マネキンの代わりに、小型ランニングマシンの上を実際のモデルに歩かせる斬新な試みを行った。このアイデアについて、チームは「型破りな発想」として満足していたという。
彼らは、モデルがランニングマシンの上を歩くことで、静止したポーズではなく、動きの中で衣服の見え方や体へのフィット感を確認できる点に着目し、中国杭州のITIBフラッグシップストアにランニングマシンを設置し、モデルを歩かせた。
この動画がSNSで拡散されると、話題を呼び、多くの人々がモデルを一目見ようと店舗に殺到した。マーケティングチームの狙いは見事に成功したかのように見えた。チームはこの発想が批判を招くことまでは予想していなかった。動画の拡散に伴い、「若いモデルを非人間化し、搾取している」との非難がSNS上で相次いだ。
「モデルがハムスター扱いされている」と非難の声
多くの人は、ITIBが単にマネキンを実際のモデルに置き換えただけならば、これほどの反発は起きなかっただろうと指摘している。しかし、ランニングマシンの上を延々と歩かせ続ける手法には行き過ぎだとの批判が集中した。
一方で、一部では斬新なマーケティング戦略であり、モデルの健康にも良い影響を与えるのではと肯定的な意見も見られたが、大多数は「若い女性モデルを回し車の中のハムスターのように扱っている」として強く非難している。
杭州市民も地元メディアのインタビューに対し、「非人道的だ。足が相当痛むはずなのに、こんなことをさせる必要があるのか」、「ランニングマシンを使わず、モデルに自由に少し動いてもらうだけで十分ではないか」、「モデルを実験動物のように扱っているようで、不快感を覚える」といった批判的な反応を示した。
ITIB側はこの件に関して一切のコメントを発表していない。