韓国の京畿道(キョンギド)水原(スウォン)の外国人専用クラブで「麻薬パーティー」を行っていた多勢のベトナム人が逮捕された。
京畿道水原の西部警察署と水原出入国外国人庁の発表によると、1日に水原駅付近にある外国人専用クラブを、午前1時20分頃から約2時間にわたり取り締まったという。
警察は取り締まりを通じて麻薬取締法違反でベトナム国籍の20代男性Aら12人を緊急逮捕し、さらに在留資格違反や在留期間超過などの出入国管理法違反で27人を逮捕し、計39人が出入国庁に引き渡された。
当クラブの規模は2~3階建ての830平方メートルで、京畿南部地域では最大規模の外国人向けクラブとされている。ベトナム出身者のみが予約・入場できるシステムで運営されていたという当クラブ内には、取り締まりを警戒して他の場所と繋がる秘密通路が2か所用意されていたことが判明した。
警察と出入国庁が取り締まりを開始した時点で、クラブ内には従業員を含め計96人がいて、そのうち39人(40.6%)が麻薬使用及び不法滞在の容疑などで逮捕されたと警察は説明している。
警察は8月、当クラブで数十人から数百人が集まり、飲酒とともに麻薬を使用しているとの情報を入手し捜査に着手した。警察と出入国当局は、機動隊や麻薬犯罪捜査隊、国際犯罪捜査係など255人を動員して取り締まりを実施した。
麻薬使用の容疑者Aは取り調べに対し「クラブ内で覚醒剤入りの炭酸飲料1杯を10万ウォン(約1万500円)で飲んだ」と供述したが、実際に現場では全身麻酔薬として使用される「ケタミン」0.7グラムも押収された。
警察は韓国籍に帰化したベトナム出身の経営者Bらに対して、麻薬流通に関与した疑いなどで捜査を進める方針で、Bに対しては行政処分をも検討中だという。水原の出入国外国人庁は不法滞在者の雇用実態などの確認及び手続きを経て、強制退去措置を講じる予定だ。
警察関係者は「日常に浸透するクラブでの麻薬犯罪を根絶するため、情報収集活動を強化し、犯罪の兆候が見られる場所には捜査力を集中し、厳しく取り締まる」と述べた。