韓国で「非常戒厳宣言中」にSNSで日常を投稿した女性、知人らから非難を受け反論
「子どもの成長を見ていると幸せで、胸が熱くなる。もしかしたら、今が私の人生で最も幸せな瞬間かもしれない」
「この状況で?」
ある女性がSNSに子どもの写真を投稿し、このようなコメントを添えたところ、知人らから批判を受けたという。
韓国汝矣島(ヨイド)の国会議事堂周辺をはじめ全国各地で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾を求めるデモが行われている中、「今が最も幸せな瞬間」という女性の発言が時宜を得ていないと批判された。
10日、韓国の人気オンラインコミュニティ「ネイトパン」に「この状況でインスタに投稿したら批判された」というタイトルの投稿があった。
投稿者のAさんは、「普通の子育て中の母親だ。先週末は記念日があり、子どもと良い時間を過ごし、とても幸せだった」と話を始めた。続けて、「インスタに子どもの写真を数枚投稿し、『子どもの成長を見ていると幸せで、胸が熱くなる。もしかしたら、今が私の人生で最も幸せな瞬間かもしれない』と書いたところ、知人二人から『投稿を削除するべきだ』という連絡を受けた」と付け加えた。
「国の未来について嘆き悲しむだけでいいのか」怒りを露わにする投稿者
Aさんによると、彼女の知人らは「非常戒厳宣言」により国が混乱しているこの時期に、Aさんの投稿にあった「最も幸せな瞬間」という表現に強い反感を抱いたという。
子どもの健やかな成長を見守る一瞬一瞬を大切に思い、幸福感を表現したAさんの投稿が、弾劾をめぐる政治的な緊張感や時期的な状況にそぐわないと受け取られたのが理由だった。
Aさんは、「政治家同士の争いをただ黙って見守り、国の未来を嘆くだけで良いのでしょうか」とし、「国民には家族と幸せに過ごす権利もないのか」と訴えた。
彼女は、「週末にショッピングモールや街中に出かけると、年末だからときれいに着飾り、楽しそうに過ごしている人たちを多く見かけますが、彼らも皆批判されるべきなのか」と述べた。
また、「非常戒厳宣言」によって多くの国民が怒りを表明している状況については十分理解できるが、その中で普通の日常を送りながら幸福を感じることが一種の「過ち」とみなされることには納得できないと主張している。
Aさんの話を聞いたネットユーザーからは、「この状況だのあの状況だのと言うのはもうやめろ。国の状況は最悪でも、私たちは自分の人生を生きるべきだ」、「この状況でデモをする人も、遊びに行く人も普通のこと。でも、この状況でとやかく言う人こそ異常だ」、「むしろ、こういう批判をする人たちをこの機会にすべて切り捨てるべきだ」などの反応を示した。