ある女性が初対面の男性とスキンシップをし、命を落としかけた。英紙「ザ・ミラー」が、映画製作者フィービー・キャンベル・ハリスさんの体験談を報じた。
ハリスさんは友人の誕生日を祝うためパリを訪れ、クラブで見知らぬ男性とキスをした。しかし、キスの直後、ハリスさんの首が突然腫れ上がり、発疹が現れた。彼女は「喉がどんどん詰まっていく感じがした。全ての感覚が過敏になり、完全にパニック状態だった」と当時を振り返った。
ハリスさんは携帯していたエピペンを注射し、救急車を要請した。
後に、彼女がアナフィラキシーショックを起こしていたことが判明した。エピペンはこのような症状を緩和することができる自己注射器だ。ハリスさんがエピペンを所持していたのは、3歳の時にアレルギー反応を経験したことがあるためだった。
死亡する恐れもあるアナフィラキシー
アナフィラキシーとは、特定の物質に対する体の過剰な免疫反応だ。極微量の接触でも全身に深刻なアレルギー症状が現れる。反応は即時に起こり、迅速に治療すれば問題なく回復するが、対応が遅れると命に関わる危険性がある。
主な原因は、ペニシリン系抗生物質や解熱鎮痛剤、ワクチン、卵、ピーナッツ、魚介類、果物などの食品で、蜂や昆虫に刺されても発症することがある。原因物質に接触した直後から、ほとんどの場合1時間以内に、咳、胸痛、口や手足のしびれ、頻脈、かゆみを伴う発疹、嘔吐、呼吸困難、血圧低下などの症状が現れる。
アナフィラキシーが発症した場合、最も重要な治療法はエピネフリンの投与だ。携帯用エピネフリンがあれば、大腿部に注射後に、直ちに医療機関で診察を受ける必要がある。前述のハリスさんのケースがこれに該当する。エピネフリン以外にも、抗ヒスタミン薬、ステロイド、血圧上昇剤なども使用される。