MLBの自動ボールストライクシステム「ABS」導入がまた一歩近づいた。
24日(日本時間)「AP通信」、「ESPN」が「MLB事務局がMLB審判協会と新たな5年間の協定について暫定で合意に達した」と報じた。
両者間の協定は今季で失効しており、来月、各球団のオーナー会議を経て、正式に批准される。
ESPNは「今回の合意によりMLBはABSをより柔軟に導入できるようルールを整えた」と伝えた。
さらに「導入時期や方法はまだ決まっていないが、来年の春季キャンプでABSがテストされる見通しだ」と報じた。
ABSは独自のプログラムが、各選手の身長によって決まるストライクゾーンに対し、複数の高性能カメラがとらえた投球の軌道を分析し、ストライクかボールかを判定するシステムだ。
MLBでは過去5年間、マイナーリーグでABSの試験運用を行い、2023年には3Aのすべての球場で使用を開始するなど、実現可能性を確認してきた。
最近、MLBは試合時間の短縮と観客が気軽に観戦できる環境を目指して、投手が投球までにかかる時間を制限する「ピッチクロック」やベースサイズの拡大など、大胆なルール変更を行っている。
しかし、ABSの導入については一部の捕手や審判協会の反対により遅れていた。
反対の声も今回の暫定合意によりおおむねおさまる予定だとみられている。
一方、韓国プロ野球「KBO」では今季、1軍公式戦で世界で初めてABSを正式導入した。
そして、シーズンを通して、ABSの運用に関して特段の問題がなかったことは注目を集めた。
MLBも2026年のレギュラーシーズンからABSの本格導入を検討しており、今年の試合でその効果を検証する予定だ。
MLBのコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏は先月、「テストの結果次第では2026年のレギュラーシーズンでのABS導入を検討している」とし、「審判協会との協議も重要だ」と述べていた。