落雷に遭遇しながらも生還した高校教師のキム・グァネン氏が、自身を救った病院に1,000万ウォン(約108万円)を寄付したというニュースが伝えられた。落雷に遭った患者の生存率はわずか1%程度とされている。
25日に放送されたtvNの『You Quiz On The Block』には、キム氏と救命救急医療専門医のチョ・ヨンス教授(全南大学病院)が出演した。
キム氏は今年8月5日、光州市東区にある朝鮮大学キャンパスで研修中に落雷を受け倒れた。心停止状態に陥った彼は、周囲にいた教育学部の助手に発見され、心肺蘇生術(CPR)を受けながら7分後に朝鮮大学病院の救急室に搬送された。
番組に出演したキム氏の父親は「雷に打たれたかもしれないとの連絡を受けたのは午後12時20分頃だった」とし、「20分以上心肺蘇生術を続けても心臓が戻らないと言われ、いつ到着できるのか聞かれた」とその時の状況を語った。また、「家族は全員ソウルにいたので急いで駆けつけるよう伝えた。SRT(高速鉄道)で光州に向かう途中、恐ろしくて電話もかけられなかった」と話した。
その後、「10分後に心臓が戻ったとの電話が来たが、救急室に到着すると意識はなく、体に多くの機器が付けられていた。肺に水が溜まって酸素供給ができない状態で、このまま耐えられるかどうかが生死を分けると言われた」と語った。
当時、状態が悪化したキム氏は最終的に、エクモ(ECMO・体外式膜型人工肺)を備えた全南大学病院に移送された。エクモは血液を体外に取り出し酸素を供給して体内に戻す装置で、心臓や肺の機能を代行するものだ。3日間にわたるエクモ治療により、キム氏は徐々に体力を取り戻し、入院から10日で人工呼吸器を外せるまでに回復した。
エクモ治療を担当したチョ・ヨンス教授は「初めは非常に状態が悪かった。心停止の時間が長く、意識もなく、血圧を上げる薬を最大限使用しても正常値の半分にも満たなかった。酸素不足も深刻で、1~2時間以内に亡くなる可能性が高い状況だった」と説明した。
また、「落雷事故の生存率は1%とされているが、実際はそれ以下だと思う。落雷で心停止した人が30分以上心肺蘇生術を受けない場合、通常は死亡宣告がなされる。しかし、キム氏はそれを自力で乗り越えた」と語った。さらに「これは天が助け、本人の強い意志があったからこそ成し遂げられた奇跡だと思う。今後も患者より先に医師が諦めることのないよう心に刻みたい」と決意を新たにした。
これを受けて、キム氏は先月、全南大学病院に1,000万ウォンを寄付した。彼は「自分が救急医療の恩恵を受けるとは思わなかった。他のすべての方々に感謝の気持ちを込めて寄付を決めた」と明かした。また、「最近、宝くじを買えという声が多いが、すでに生還したこと自体が運を使い果たした気がする。最悪の状況で最高の運に恵まれた」とし、「発見や搬送などすべてが幸運だった。大変な場面をお見せしたが、克服して生き延びさせてくれたことに感謝したい」と感謝の言葉を述べた。