米国のフェミニスト運動を展開する女性たちが、ユナイテッド・ヘルスケアCEO射殺容疑者ルイジ・マンゾーニへの支持を表明している。
先月26日(現地時間)、米紙「ニューヨーク・ポスト」によると、「マンゾーニは12月にペンシルベニア州のマクドナルドで逮捕されたが、その後「進歩的なセックスシンボル」として注目を集めている。
多くの女性がブルックリン刑務所にファンレターを送るなど、異例の人気を見せているという。さらに、23日にニューヨーク州最高裁判所で行われた一級殺人容疑に対する無罪主張の公判では、傍聴席の大半を20代の若い女性が占めていたという。さらに、法廷外でも多くの支持者が「ルイジは無罪だ」と書かれたプラカードを掲げ、マンゾーニへの支持を表明した。
過去にはテッド・バンディやリチャード・ラミレスのような殺人犯に熱狂した女性たちがいたが、マンゾーニへの女性たちの支持は、これまでの例を上回る規模に達しているという。
ニューヨーク・ポストは「男性批判を続けてきたフェミニストの女性たちまでもがマンゾーニを支持している」と伝え、「彼女たちが彼を支持する理由は、マンゾーニが彼女たちの理想的な男性像を体現していると感じているためだ」と分析した。さらに同紙によれば、彼女たちは殺人を最悪の男性的暴力と認識しながらも、反企業的・反資本主義的な動機がある場合にはある程度容認できると考えているという。彼女たちにとってマンゾーニは、高額な医療システムや保険業界の不平等に苦しむ人々のために戦う英雄のような存在だ。
下着などのグッズ購入で応援の動きが拡大
一部の女性たちは、下着やクロップトップなどのグッズを購入することでマンゾーニを支持している。あるオンラインショップでは、マンゾーニが使用した弾丸に刻まれていた「deny(拒否)」、「depose(追放)」、「defend(防御)」という言葉がプリントされたフリル付きの下着を販売中で、価格は1枚35ドル(約5,500円)となっている。
別のショップでは、マンゾーニの顔がプリントされたクロップトップが24.90ドル(約3,900円)で販売されている。このような若い女性向けのルイジ・マンゾーングッズは複数のショップで制作・販売されており、実際に高い売上を記録しているという。
一方、検察によると、ルイジ・マンゾーニは先月4日未明、ニューヨーク・マンハッタンのミッドタウンにあるヒルトンホテル隣の歩道で、自作の拳銃を使用し、ユナイテッド・ヘルスケアCEOのブライアン・トンプソンを殺害した容疑を受けている。
マンゾーニは名門校出身で、ボルチモアの私立高校を卒業後、アイビーリーグの名門ペンシルベニア大学でコンピュータ工学の学士号と修士号を取得している。
ニューヨーク市警(NYPD)の報告書によると、マンゾーニを捜査した警察は、彼が健康保険業界や企業の貪欲さに対する怒りから発砲し、保険会社幹部の殺害を「象徴的な撃墜」として捉えていたとみている。この事件以降、マンゾーニは米国の医療システムや保険業界に不満を抱く人々から熱烈な支持を集めている。
クラウドファンディングサイト「ギブ・センド・ゴー(Give Send Go)」では、マンゾーニのための寄付金が募られ、SNS上では彼の写真や動画を含むコンテンツが拡散している。マンゾーニへの支持は、米国の健康保険制度や保険会社の行動を批判する世論と結びつき、さらに広がりを見せている。
次回公判は来年2月21日に予定されており、マンゾーニが有罪となった場合、死刑または仮釈放なしの終身刑が宣告される可能性がある。