米国最大の小売業者ウォルマートが、フランスの高級ブランドエルメスの「バーキン」に似たデザインのバッグを発売し、大きな話題となっている。
12月30日（現地時間）、CNNは「ウォルマート版バーキンバッグがオンラインを席巻している」と報じた。このバッグは「ワーキン（Wirkin）」と呼ばれ、オンラインで最低78ドル（約12,000円）で販売されている。この商品は発売直後に完売し、非常に高い人気を集めている。
CNNは「高級品の代替を求める消費者が、バーキンに似たウォルマートの『ワーキン』に殺到している」と指摘し、「エルメスのようなラグジュアリーブランドは依然として注目を集めているが、高価で多くの人が手に入れることが難しい」と伝えた。また、「消費者は手頃な価格で高品質な模倣品を楽しむ傾向がある」と分析した。
エルメスの「バーキン」は、イギリス出身の女優で歌手だった故ジェーン・バーキンの名前にちなんだもので、エルメス店舗で1万～100万ドル（約157万～1億5,700万円）で販売されることで知られている。
エルメスは1月3日からバッグや衣料品、アクセサリーなど主要製品の価格を平均10%以上引き上げる予定とされており、一部の製品では金価格の上昇に伴い、それ以上の値上げが適用される可能性があるという。一方、ウォルマートの「ワーキン」は「バーキン」の100分の1の価格で購入可能であり、消費者の間で大きな人気を博している。
この現象について、CNNは高価な名品ではなくコストパフォーマンスの良い代替品を求める「デュープ（dupe）」消費と関連があると指摘した。CNNは「近年、有名ブランドよりも安価な代替品であるデュープ製品がオンラインで注目を集めている」と述べ、「エルメスが模倣される唯一のブランドではない」と報じた。
昨年10月にはイギリスの小売業者ネクストが、イタリアの高級ブランド「ボッテガ・ヴェネタ」のトートバッグに似たデザインバッグを19ポンド（約3,700円）で発売した。この商品は、類似するボッテガ・ヴェネタのトートバッグ「約2,240ポンド（約44万円）」に比べて格安であるため、イギリスの消費者に人気があるという。
ラグジュアリーコンサルタント企業「G&Co.」のスティーブン・モイ氏はCNNに対し、「エルメスのような高級ブランドを好む富裕層は、模倣品の存在が理由で購入をやめることはないだろう」と分析している。