生成型AI技術の急速な進化により、AIに代替される職業への不安が高まっている一方で、ChatGPTやClaudeなどの対話型AIの機能拡張により、業務への適用範囲が広がりつつある。これにより、企業や個人がAIをツールとして活用し生産性を劇的に向上させる事例も増加している。
筆者も実務でAIを積極的に活用しながら、AIに代替されない方法を常に模索している。本稿では、AIサービス企画者および講師としての経験を踏まえ、AI時代における実践的な対応策を提示する。
AIのみで業務を遂行する試み
AIの限界を正確に把握するには、業務全般をAIに委ねる実験が不可欠だ。企画書の作成をAIに任せると、全体の構成や必要資料を提示される。その後、詳細を補足しながら、AIの支援範囲と人間特有の判断が必要な箇所を明確化できる。この試行錯誤を通じて、AIと人間の役割分担が自然と形成される。企画立案やアイデア創出だけでなく、UI設計など従来AIでの作業が困難だった領域でも大きな支援を得ている。
AIの創造的活用法
ChatGPTのGPTsやClaudeのProject機能を活用し、議事録作成、UIデザイン、プレゼン資料制作など、多様なAIエージェントを作成・活用している。特にClaudeのArtifact機能でコードの実行結果を即時確認できるため、プロトタイプの制作時間を大幅に短縮した。デザイナーに依頼せずとも初期画面設計が可能となり、アイデア検証のプロセスが加速した。このようにAIツールを様々な方法で連携させ、各々の長所短所を体得しながら、多様なアイデアを創出できる。
業務全体におけるAIシナジーの探索
AIを通じて、企画やデザイン、開発、マーケティングなど多岐にわたる領域を有機的に結合できるようになった。OpenAIのCEOサム・アルトマンが指摘したように、将来的にはAIを巧みに活用する個人が一企業の業務を遂行できる時代が到来するだろう。既にサービス企画とマーケティングの同時進行や、プロトタイプ開発へのAI活用など、様々な試みが行われている。不慣れな業務も自然に習得でき、AIが多様な領域で想定以上の支援を提供している。
積極的な学習と迅速な適用
AI技術の進歩速度は予測を超える。数日前には不可能と思われた機能が突如更新されることも珍しくない。新たなLLMモデルや機能が公開された際は、即座に学習し実務に適用することが重要だ。試行錯誤を記録し改善点を見出す過程で、独自のノウハウが蓄積される。この迅速な学習と強力な実行力を習慣化することが、AIに代替されない核心的能力となる。
AIとの共生を目指して
個人がAIに代替されないためには、AIを回避するのではなく、より深く広範に活用し絶え間なく学習を続けることが必要だ。AIを前面に押し出して作業を試み、多様なツールを連携させる実践を通じて、業務範囲の拡大プロセスを楽しむべきだ。迅速な更新に歩調を合わせ、学習と実行を繰り返しながら、データとノウハウを蓄積する習慣が重要である。現在のあらゆる試行錯誤と経験が、将来のAI時代における核心的な資産となるだろう。