最近、日本の子どもや若者の間で「スーパーマンチャレンジ」が流行し、安全事故の懸念が高まっている。これを受け、教育当局は全国の学校に対し、生徒への指導強化を求める通知を出した。
朝日新聞デジタルやNHKによると、先月4日、東京都立小児総合医療センターに中学2年生の男子生徒が運び込まれた。この生徒は両手首を骨折し、前歯も折れる重傷を負い、全治2カ月の診断を受けた。医療関係者が生徒のスマートフォンを確認したところ、この生徒がTikTokなどの動画プラットフォームで流行している「スーパーマンチャレンジ」に挑戦した際に負傷したことが判明した。
「○○○チャレンジ」とは、TikTokやInstagram、YouTubeなどの動画プラットフォームで流行っている行為を模倣し、動画で証明することを指す。スーパーマンチャレンジでは、人々が二列に並び腕を伸ばして互いの腕をつかみ、その上を挑戦者が飛び乗って「スーパーマンが飛んでいる姿勢」のように着地するというものだ。
青森県在住のAさん（45）は、高校3年生の息子が学校の廊下で友人6人とスーパーマンチャレンジを行い、飛び降りた際に後頭部を負傷したと訴えた。幸いにも息子は大きなけがを負わなかったが、翌朝まで首の調子が悪かったという。また、一緒に挑戦した別の友人は腕を捻挫した。
沖縄県南城市の教育当局によると、中学生4～5人がスーパーマンチャレンジ中に失敗し、飛び乗った生徒が仲間の腕の上にうまく着地できず床に落下し、腕を骨折する事故が発生した。また、兵庫県では男子生徒が2メートルの高さから落下し頭蓋骨を骨折した。浦添市ではこの遊びをしていた複数の子どもが負傷したという。
スーパーマンチャレンジが日本で本格的に流行し始めた12月以降、SNS上でも負傷者の報告が相次いでいる。X（旧Twitter）には「息子が頭を打ってCT検査を受けた」、「息子が腕を骨折した」といった投稿が多く寄せられている。
これを受け、日本各地の教育当局は先月、管内の小中高校に対し、注意喚起の通知を送った。日本だけでなく、他国でもスーパーマンチャレンジによる事故が相次いでいる。イスラエル、フランス、ギリシャ、ルーマニアなどでも同様の事例が報告されている。この状況を受け、TikTokでは現在スーパーマンチャレンジを検索しても関連動画は表示されず、「コミュニティガイドライン違反に関係している可能性があります」という注意メッセージが表示されるようになっているという。
NHKによると、TikTok日本法人は「危険な挑戦を助長または推奨するコンテンツは許可していない」と述べ、これは日本だけでなく全世界で同様の措置が取られていると説明した。