「ヨチュン(女性の身分証)探してます。猫顔ならOKです~」
一見、猫顔の彼女を探しているようにも見えるこの文言は、オンライン上で「身分証明書」を売買する際に使われる隠語だ。この文言で使われている「ヨチュン」は女性の身分証明書を意味する隠語で、男性の場合は「ナムチュン」と表現される。
最近、各種SNSを通じて身分証の売買犯罪が横行している。この違法取引の主な標的は、酒やタバコなどを購入する際に提示する身分証明書を必要とする未成年者だ。実際にX(旧Twitter)で「女性の身分証購入」、「男性の身分証購入」などと検索すると、他人の身分証を購入しようとする未成年者の投稿や、直接入手した身分証を販売しようとする売り手の投稿が簡単に見つかる。
売り手たちは、様々な経路で入手した他人の住民登録証や運転免許証を証明として提示し、1枚あたり5万~10万ウォン(約5,300~10,700円)で販売していた。さらに一部の売り手は、身分証の所有者の住民登録番号や住所などを隠すことなく無防備に晒したまま販売を続けていた。
身分証の盗用、3年以下の懲役または約320万円以下の罰金
取引される身分証が偽造品ではなく実際の身分証であるため、金融取引や病院での診療など本人確認が必要な状況で悪用される危険性も懸念される。
一方、韓国警察庁によると「文書・印章犯罪」を犯した未成年の容疑者数は、2021年の656人から2022年875人、2023年には1,229人へと着実に増加している。他人の身分証を不正に使用した場合は、3年以下の懲役または3千万ウォン(約320万円)以下の罰金が科される。