朝日新聞の報道によると、欧州各国で週休3日制の効果と実益をめぐる議論が活発化している。
ミュンスター大学研究チームがドイツの40社以上の企業・団体を対象に実施した「週休3日制」の実験において、労働者の健康と生産性がともに向上したことが明らかになった。参加企業の70%以上が週休3日制の継続を希望している。実験の結果、労働者の精神的・身体的健康が改善されただけでなく、業務生産性も向上したことが判明した。
カールスルーエ工科大学のフィリップ・フライ労働問題研究員は「週休3日制は従業員のモチベーションを高め、ワークライフバランスを改善し、ジェンダー平等の実現にも貢献する」と述べた。特に金曜日から日曜日まで3日間の休暇を取った労働者は、日曜日のストレスが約30分減少し、平日・週末ともに身体活動が増加したという。
しかし、週休3日制がすべての業種に適しているわけではない。介護、小売、物流などの業種では現実的に導入が困難だとの指摘もある。実際、ミュンスターのある旅行会社は週休3日制を試みたものの、従来の週休2日制に戻している。この旅行社の代表は「従業員にとっては良いかもしれないが、業務には支障があった」と説明した。週末の予約が多い旅行業界の特性上、月曜日の出勤チームが過度な業務負担を強いられるなどの問題が生じたためだ。
コブレンツ応用科学大学のシュテファン・ゼル教授は「同一賃金で労働時間を短縮すれば、長期的に生産性の問題が生じる可能性がある」とし、「労働時間と賃金を同時に削減すると、年金受給額も減少する問題がある」と指摘した。それにもかかわらず、2022年の統計によると、ドイツの労働者の77%が週休3日制に賛成しており、そのうち63%は賃金削減を伴わないことを望んでいる。特に若い世代ほど週休3日制を歓迎する傾向が強かった。
現在、ベルギーでは2022年末から週休3日制が法的権利として保障されている。イギリス、オーストラリア、アイルランドなどでも試験的導入が進められている。ドイツではまだ企業や団体の自主的判断に委ねられている状況だ。
週休3日制は大きく二つの形態に分けられる。週の労働時間を維持しつつ1日の勤務時間を延長する方式と、1日の勤務時間はそのままに週の勤務日数を減らす方式だ。後者の場合、賃金維持型と賃金削減型に分かれる。専門家らは週休3日制が成功するには、会議時間の短縮、チームワークの時間と業務集中時間を明確に区分するなど、業務効率化が不可欠だとアドバイスしている。