中国のある会社が従業員に配布した宝くじから1等が出たため、会社側が宝くじの返還を求め、物議を醸している。
9日(現地時間)、中国紙「湖南日報」などによると、浙江省寧波市(セッコウ省ニンポー市)のある会社が最近、年次総会に出席した従業員に宝くじ500枚を配布。この宝くじを受け取った従業員の1人が1等に当選した。当選金は608万元(約1億2,800万円)だった。
当選した従業員は、中国のメッセージアプリを通じて1等当選の報告をした。これを知った会社側は、従業員に宝くじの返還を要求。「年次総会に参加した全従業員に賞金を均等に分配すべきだ」と主張した。しかし、従業員はこれを拒否した。
また、宝くじを配布する前に当選番号はすでに発表されていたという。会社の代表は財務チームに宝くじ番号を確認させた上で、はずれ券のみを従業員に配布するよう指示していたが、担当者が適切に確認せず、1等当選券が配布されてしまったという。結局、両者は警察署を訪れた。警察は民事問題であるため、当事者間で訴訟を通じて解決するよう提案した。
専門家らは、宝くじの所有権は従業員にあるとの見解を示している。ある弁護士は「従業員の当選が判明した後に返還を求める会社の対応は、合理的でも合法的でもない」とし、「会社が年次総会の贈り物として従業員に宝くじを配布し、従業員が受け取った時点で、所有権は従業員に移転している」と述べた。また、別の弁護士は「もし会社が、これを理由に給与削減や解雇を脅迫する場合、従業員は労働監督機関に問題を提起し、法的支援を受ける権利がある」と語った。
現地のネットユーザーからも「会社側が本当に図々しい」、「会社に渡すくらいなら、当選金の半分を寄付する方がまだマシだ」、「会社にはそんな要求をする権利はない」といった批判的な声が上がっている。