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2025年02月08日土曜日
ホームトレンド「顔が紫色の怪物に」…3種ワクチン接種からわずか10分後、23歳女性が経験した恐怖の症状

「顔が紫色の怪物に」…3種ワクチン接種からわずか10分後、23歳女性が経験した恐怖の症状

引用:デイリー・メール
引用:デイリー・メール

希少な免疫疾患を患っている20代の女性が治療を受けるために病院に行き、ワクチン3種を一度に接種されて、恐ろしい副作用に悩まされたという。

イギリスのデイリー・メールの報道によると、アメリカ・フロリダ州に住む23歳のアレクシス・ロレンゼ氏は昨年、発作性夜間血色素尿症(Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria、以下PNH)という希少な自己免疫疾患と診断された。PNHは体内の免疫システムが自らの赤血球を攻撃する疾患で、100万人に1人の割合で発生すると報告されている。

ロレンゼ氏は損傷した赤血球を補充するため、輸血を受けようとカリフォルニアのUCIメディカルセンターに訪れた。医療スタッフはロレンゼ氏に破傷風、肺炎、髄膜炎のワクチンを一度に接種しなければ輸血は行えないと言い、ロレンゼ氏はそれに従った。

そして悲劇はすぐに始まった。ワクチン接種から10分後、両目の視野が暗くなり、嘔吐した。さらに、皮膚の内出血が起こり、顔が腫れ始めた。幼少期以来ワクチンを接種したことがなかったロレンゼ氏は、アメリカ保健資源サービス局の対策傷害補償プログラム(CICP)にワクチンによる傷害で事例を報告したた1万4,000人のアメリカ人の一人となった。

ロレンゼ氏のワクチン副作用について、一部の医療スタッフは デイリー・メールとのインタビューで、PNHのような自己免疫疾患を持つ患者に対して複数のワクチンを一度に接種することは問題を引き起こす可能性があり、潜在的に命を脅かすことがあるとの意見を述べた。しかし、ワクチン自体の成分がロレンゼ氏が経験した現象を直接引き起こした可能性は低いと説明した。

ロレンゼ氏の希少疾患は未だ適切に治療されておらず、ワクチンに対する免疫反応により悪化した可能性が高く、PNH患者に免疫反応を引き起こす可能性がある。

ロレンゼ氏が経験した現象は、サイトカインストーム(cytokine storm)と呼ばれる極度の免疫過剰反応によって引き起きたと見られる。自身の体が健康な臓器を攻撃し、その臓器への血液供給が遮断され、これにより永続的な臓器損傷を起こし、最悪の場合は死に至る可能性もある。

引用:イギリス デイリー・メール
引用:イギリス デイリー・メール

アメリカの経済誌フォーチュン(Fortune)が運営するレビュー・プラットフォーム「フォーチュン推薦健康(Fortune Recommends Health)」の最高医学顧問であるラジ・ダスグプタ博士は、「健康な人々にとってこれらのワクチンを同時に接種することは安全だが、ロレンゼ氏の場合は免疫反応が過剰になり合併症を引き起こした可能性がある」と述べた。彼は「患者の免疫システムに過負荷をかけないために、間隔を空けてワクチンを接種し、悪化する症状を注意深く観察する必要がある」と語った。

アメリカ・ジョンズ・ホプキンス大学の血液学者グロリア・ガーバー博士も「ワクチンがロレンゼ氏のPNHを悪化させ、赤血球の破壊を加速させた可能性がある」と述べた。

PNHはPIGA遺伝子の後天的変異によって発生し、赤血球を損傷させる。通常、赤血球は肺から全身の様々な部分に酸素を運ぶのを助けるタンパク質であるヘモグロビンを使用する。

しかし、PNH患者はヘモグロビンが適切に分解されないため、このタンパク質が腎臓などの臓器に過負荷を引き起こす可能性がある。血栓が形成され、脳卒中や心臓発作に繋がることもある。

再生不良性貧血およびMDS国際財団(Aplastic Anemia and MDS International Foundation)によれば、PNH患者は定期的にワクチンを接種する必要がある。定期的に輸血を受ける患者は、他者の血液を受けることだけで免疫システムが弱まる可能性があるためだ。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が推奨するPNH患者の定期ワクチン接種にはMMR、インフルエンザ、HPV、破傷風、肝炎などが含まれる。

それでも、ワクチンを3種一度に接種する必要はない。医療スタッフが3種のワクチンを全て接種しなければ輸血できないと言ったことについて、ガーバ博士は「輸血のためにワクチンを全て接種しなければならない理由が見つからない」と述べた。

なぜ3種のワクチンを同時に接種したのか?

ロレンゼ氏が訪れた病院で医療スタッフがなぜ3種のワクチンを同時に接種させたのかは不明だ。ただし、髄膜炎や肺炎のワクチンはPNHの標準治療法である補体抑制剤(Complement inhibitors)の投与に必要不可欠である。

これは免疫システムの補体システムを抑制する薬として赤血球を破壊しないように免疫システムを抑制する免疫療法に該当する。免疫反応をブロックすることによって、身体組織を保護する役割を果たす。

したがって、病院がロレンゼ氏に補体抑制剤を投与しようと計画していた可能性がある。患者が貧血のような症状を持ち、輸血が必要なほど深刻であれば、補体抑制剤が必要だと判断し、ワクチンを接種するよう要求したと考えられる。

ロレンゼ氏がワクチン接種直後一時的に失明したことについては、ワクチン自体には失明を引き起こす成分はなく、むしろPNH自体によって引き起こされたる可能性があるとの意見も出ている。

PNHで最も致命的な合併症の一つは血栓症(血管内に血栓が生成される)である。異常な場所で突如として血栓が形成される可能性があり、肝臓や皮膚などの腹部臓器、さらには目でも発生することがある。

したがって、ワクチン自体よりもPNH疾患のために目の網膜血管や脳血管に血栓症が発生し、ロレンゼ氏が一時的に視力を失った可能性があるとの指摘がある。

一方、 デイリー・メール はこの件についてUCIメディカルセンターに問い合わせたが、まだ返答を受けていないと報じた。

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