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2025年02月23日日曜日
ホームトレンドあなたの食卓に「抗白髪成分」は足りてる?ブロッコリーやタマネギに含まれるルテオリンが髪の老化を防ぐメカニズムとは

あなたの食卓に「抗白髪成分」は足りてる?ブロッコリーやタマネギに含まれるルテオリンが髪の老化を防ぐメカニズムとは

引用:Science Photo Library
引用:Science Photo Library

名古屋大学の研究チームは、昨年12月に国際学術誌「Antioxidants」において「ルテオリンの抗酸化成分が細胞の老化を防ぐだけでなく、白髪の進行を抑える効果がある」という研究結果を発表した。

ルテオリンはフラボノイド系の抗酸化物質で、目や血管の健康、咳の改善、老化防止などに効果があるとされており、唐辛子、ニンジン、ブロッコリー、タマネギなどの野菜に多く含まれているという。

研究チームは、ルテオリンを含む抗酸化物質が白髪の進行にどのような影響を与えるかを検証するため、特定の遺伝子操作を施したマウスを用いた。このマウスは、生後10か月を迎えると体毛の約80%が白くなる特徴を持っている。実験では、ルテオリン、ヘスペレチン、ジオスメチンの3種類の抗酸化物質をマウスに経口投与するか、直接皮膚に塗布し、16週間にわたって毛の変化を観察した。

実験開始時点で、すべてのマウスの白毛は約20%だったが、4ヶ月後には明確な違いが見られた。ルテオリンを摂取したり塗布したマウスは黒毛を保ち続け、ルテオリンを使わなかったマウスは毛が次第に灰色に変化した。特にルテオリンを使わなかったマウスの白い毛の割合は60%〜80%に増加した。さらに、毛包の分析結果、ルテオリンを摂取したマウスは白髪の生成を抑制するエンドセリンが維持されていることが確認された。エンドセリンは、髪の色素を生成する細胞を支える重要な物質だ。

引用:Antioxidants
引用:Antioxidants

研究を率いる加藤雅志教授は「抗酸化物質が毛の白化を防ぐことは予想していたが、ヘスペレチンやジオスメチンではなく、ルテオリンのみが顕著な効果を示した」と述べ、「これにより、ルテオリンが白髪を防ぐ可能性があることが示唆された」と説明した。また、「この結果は動物実験によるものだが、人間にも同様のメカニズムが適用される可能性がある」とし、「ルテオリンが豊富な食べ物を含むバランスの良い食生活が、白髪の進行を遅らせる手助けになるかもしれない」とも付け加えた。

◇ 該当論文URL:https://doi.org/10.3390/antiox13121549

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