
フランス・パリの象徴的な文化施設の一つであるポンピドゥー・センターが、2025年から2030年までの5年間、大規模改修のため休館することが決まった。同センターが所蔵するシャガールやジャコメッティなどの常設展示作品約2,000点は、10日から順次撤去され、世界各地の美術館へと移送される。
ガーディアン紙やAFP通信の報道によると、今回の改修では建設当初に使用されたアスベストの除去や、施設のエネルギー効率向上が主な目的だ。工事費用は約2億6,200万ユーロ(約418億3,358万円)と見積もられており、全面的な刷新が進められる。
1977年に開館したポンピドゥー・センターは、現代建築界の巨匠リチャード・ロジャースとレンゾ・ピアノによって設計され、鉄骨やパイプ、換気ダクトなどを外部に露出させた斬新な建築スタイルが特徴となっている。昨年の来館者数は約300万人に達し、ルーヴル美術館、オルセー美術館に次いでパリで3番目の人気を誇る。
ガーディアン紙やAFP通信によれば、一般来館者は10日午後9時まで、同センターの常設展示作品を楽しむことができた。閉館前最後の日曜日となった9日には、ポンピドゥー・センターに多くの人々が詰めかけ、ワークショップやアートパフォーマンス、DJイベントなどが開催され、来館者たちは休館前の最後の機会を惜しむように館内を巡ったという。