
1980年代に「ゴッドファーザー」と呼ばれていたフランスのマフィアのボスが、高速道路で銃撃され死亡する事件が発生した。
12日、AFP通信などによると、この日の朝、フランス南西部の都市グルノーブル近郊の高速道路で、車で移動中だったジャン=ピエール・マルデラが何者かに銃撃され死亡した。現地メディアは、3~4人の犯人がマルデラの車を追跡し、自動小銃などの軍用武器で発砲したと報じた。犯人らは犯行後に逃走し、犯行に使われた車はグルノーブル市内の駐車場で焼け焦げた状態で発見された。
マルデラは1980年代から90年代にかけて、弟のロベール・マルデラとともにフランスとイタリアを拠点に活動するマフィア組織を率いていた。当時、兄のピエールはマフィアの「ゴッドファーザー」と呼ばれる実力者で、弟のロベールは「クレイジー」というあだ名で知られていた。
マルデラ兄弟は2004年、恐喝、マネーロンダリング、売春斡旋などの容疑で有罪判決を受け服役したが、フランス当局の行政ミスにより釈放された。その後、兄のピエールは表舞台から姿を消し、比較的静かな生活を送っていたとされる。
兄のピエールに先立ち、弟のロベールは2015年、グルノーブル郊外で開かれた集まりに参加した後、行方不明となっている。フランス検察は、ロベールも殺害された可能性が高いとみている。