48年間「怪物」と呼ばれた女性、再建手術で顔を取り戻す

6歳の時に薪の火で火傷を負い、首や顎、唇の皮膚を失い、歯も損傷したベトナムの50代女性が、顔面再建手術を受け、48年ぶりに顔を取り戻した。
先月26日(現地時間)、ベトナムのメディア「kenh14」によると、ベトナム・フート省の女性、グエン・ティ・サウさん(54歳)は6歳の時に火傷を負った。
事故当時、両親は家におらず、ティ・サウさんが薪で遊んでいた際に突然火が燃え上がったのではないかと推測されている。
当時、ティ・サウさんは両親が仕事で不在の間、煮炊き中の鍋を見守るために薪の近くに座っていたところ、事故に遭った。
約50年間、彼女は畑で働く際にもタオルで顔を隠すほど、「怪物」のように扱われてきたという。
時間の経過とともに顔の変形が進み、ほとんどの歯が抜け落ち、数本の長い歯だけが残った。そのため、会話や食事など日常生活にも支障をきたしていた。
彼女の悲惨な境遇を知ったベトナム・レ・フー・チャック国立熱傷病院の医療チームは、ティ・サウさんに顔面再建手術を行うことを決定した。
また、ビエット・ドゥック国際歯科センターの所長から約1億5,000万ドン(約87万3,581円)の手術費用の支援を受けた。
手術成功、新たな人生のスタート

5時間にわたる顔面再建手術を担当した医療チームは、「顔と首の火傷の痕を除去し、大腿部の皮膚を移植した」と説明し、「顎骨と歯の移植手術も順調に進んだ」と報告した。
手術後、彼女はついに口を閉じることができるようになり、首と顎を引っ張っていた大きな傷跡も消えた。
長年にわたり火傷の後遺症に苦しんできたティ・サウさんは、48年ぶりに顔を取り戻し、新たな人生を歩み始めた。
なお、ティ・サウさんが受けた顔面再建手術は、先天性や後天性の疾患、火傷、交通事故などによる外傷で、目、鼻、唇、頬などに欠損が生じた部位を再建する手術である。
単に形状を整えるだけでなく、顔の各部位の筋肉や靭帯、神経までも再建されるのが特徴とされている。