
太陽、地球、月が一直線に並ぶ瞬間、地球では皆既月食が観測され、同時に月では地球が太陽を完全に覆う日食が発生した。この珍しい光景をアメリカの民間月探査機が捉え、注目を集めている。
14日(現地時間)、米航空宇宙局(NASA)はブログを通じて、今月2日に月面に着陸した民間宇宙企業ファイアフライ・エアロスペースの探査機「ブルーゴースト」が月で撮影した日食の写真を公開した。
ブルーゴーストは、地球が太陽を遮る際に一点を残し、その周囲に光の輪が現れる「ダイヤモンドリング(ベイリーのビーズ)」効果を捉えることに成功した。

ファイアフライはこの現象を連続で撮影した写真をつなげた動画を公開し、「民間探査機が月から地球による日食を撮影したのは史上初」と強調した。
月面の宇宙船が日食を捉えたのはこれまでに1回のみだ。1967年、アポロ計画の準備としてデータ収集のため月に着陸したNASAの宇宙船「サーベイヤー3」が、初めて地球による日食を撮影した。
ブルーゴーストの主任エンジニア、ウィル・クーガン、「ブルーゴーストは初めて高画質の皆既日食画像を捉えるという貴重な機会を得た」と今回の撮影の意義を説明した。
クーガンは日食発生時に太陽光が遮られ、温度が急激にマイナス100度以下に低下するため、月の夜間運用と同様に撮影が非常に困難だったと付け加えた。
今後、ブルーゴーストは月の日没時に現れる地平線の神秘的な発光現象(lunar horizon glow)を撮影し、地球に送信する予定だ。