「世界で最も醜い魚」の意外な逆転劇

「世界で最も醜い動物」と呼ばれるブロブフィッシュが、競合を抑えてニュージーランドの「今年の魚」に選ばれ、予想外の結果となった。
「米CNN」などの海外メディアは18日(現地時間)、ニュージーランドの非営利団体「山から海保全トラスト」が主催する年次イベントで、ブロブフィッシュが投票によって「今年の魚」に選ばれたと報じた。このイベントは、ニュージーランドに生息する淡水・海水の多様な魚類を紹介する目的で毎年開催されている。
今回の投票は、非営利団体のウェブサイトを通じて今月初めから約2週間実施され、16日に締め切られた。
総投票数5,583票のうち、ブロブフィッシュは2位のオレンジラフィーに約300票の差をつけて勝利を収めた。
トラストの発表によると、オレンジラフィーが勝利に近づいていたものの、より醜い競争相手であるブロブフィッシュがニュージーランドのラジオネットワーク「モアFM(More FM)」の支持を得て、逆転したという。
同局の「ドライブショー」司会者サラ・ガンディとポール・フリンは、「ブロブフィッシュは海底で忍耐強く餌を待ち続ける魚だ。長年、醜いと言われてきたが、今こそその存在にスポットライトを当てる時だ」と語った。
また、トラストの共同理事キム・ジョーンズは「個性的な深海生物同士の対決となり、ブロブフィッシュの独特な魅力が投票者の心をつかんだ」と述べた。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)によると、約30cmに成長するブロブフィッシュは、「大きなオタマジャクシのような形で、青白くグミのような肉質と柔らかくたるんだ皮膚、大きな鼻と真珠のような目を持つ塊」と描写されている。
ブロブフィッシュは主にオーストラリア南東部沿岸とタスマニア付近の水深600mから1,200mの深海に生息している。深海では高水圧のおかげで比較的正常な形を保っているが、水中から出ると、一般的に「醜い」と呼ばれるほど奇怪な姿に変化する。硬い骨格や発達した筋肉がないため、自力で形を維持することができない。