爆撃機「イノラ・ゲイ」の名前に隠された真実

1945年、広島に原子爆弾を投下したB-29爆撃機「イノラ・ゲイ(Enola Gay)」の名称は、操縦士ポール・ティベッツ大佐の母親の名前に由来し、同性愛者を指す意味で広く知られる「ゲイ(Gay)」とは無関係だ。
当時、「ゲイ」は「陽気な」「快活な」という意味で使われ、人名としても一般的であった。しかし、戦後、性的少数者の権利運動が本格化する中で、医学的な「ホモセクシュアル(homosexual)」に代わり、前向きな意味合いの「ゲイ」が同性愛者を指す言葉として使われるようになった。
また、第二次世界大戦中、米国では航空機に操縦士の個人的な由来にちなんだ名前を付けることが多く、B-17爆撃機「メンフィス・ベル(Memphis Belle)」も操縦士の故郷であるメンフィスとその恋人に由来している。