
著名なフィギュアスケートコーチが過去に未成年選手に暴力を振るったとして、告訴された。
4日、韓国メディアのKBS1「ニュース9」は、国際大会で入賞経験のある選手を育てたフィギュアスケートコーチAが、2010年から2013年、そして2014年から2016年にかけて、当時未成年だったB選手に対し暴行や虐待を繰り返したとして、昨年12月に警察に告訴されたと報じた。
成人となった被害者は、「10年以上前の出来事だが、今もなお精神的苦痛に悩まされているため、告訴を決意した」と述べたうえで、「Aコーチを特別暴行、常習暴行、児童福祉法違反の容疑で告訴した」と明かした。
2013年のカナダ合宿では、Aコーチが当時11歳だったB選手に対し、課題をこなせなかったことを理由にトイレへ連れて行き、口の中にハサミを入れたうえ、喘息を患っていたBの首を絞め、「お前が死んだら喘息で死んだことにすればいい」と暴言を浴びせたとされている。
これを受け、市民団体は3日、大邱(テグ)市庁前で記者会見を開き、Aコーチによる加害行為を非難した。大邱スケート連盟など関連機関に対し、人権侵害の真相解明と再発防止策の策定を求めた。
市民団体は「AコーチがB選手の口元を左右に引き裂き、顔に深い傷を残したうえ、他の選手たちにBを『虫』と呼ぶよう強要した」と主張した。
さらに、「AコーチはBの首を絞めただけでなく、横たわっていた別の小学生選手Cの腹部や背中、肩を足で踏みつけながら越えていくなど、暴力行為を常習的に繰り返していた」と告発した。
Bの母親は「(子どもは)今も心の傷に苦しみ、治療を続けている。ハサミの冷たい感触が忘れられないと言い、トイレに引きずられていく瞬間を思い出すたびに手足が震える」と語った。
続けて「昨年12月に大邱スケート連盟にAコーチの暴力行為について懲戒を求める書類を提出したが、いまだに何の返答もない」とし、「Aコーチは加害事実を否定しているが、当時の状況を裏付ける証拠は警察に提出済みだ」と付け加えた。
一方、AコーチはKBSの取材に対し「被害者側の主張のほとんどは事実と異なる」とし、「主張を覆す証人もいる。個人的な事情が整理でき次第、正式に反論する」と述べた。
また、大邱スケート連盟は上部機関の大韓スケート連盟を通じて「本件についての立場はない」と伝え、大韓スケート連盟は「現在、該当の事件について確認中だ」と回答した。