
元モデルの50代男性が毎朝尿を飲む習慣で健康な体を維持していると明かし、注目を集めている。
米紙ニューヨーク・ポストが5日付で伝えたところによると、元モデルのトロイ・ケーシーさん(59歳)は、毎朝欠かさず自分の尿を飲むことで健康を保っているという。
1980〜90年代にはヴェルサーチなどの高級ブランドのモデルとして活動していたというケーシーさんは、「20年近くこの習慣を続けている」と明かし、「毎朝の尿で、これまで健康を維持してきた」と語っている。
彼によれば「2004年に精巣がんを患い、当時は抗がん治療を受けても効果がなかった」という。そこで、「古代インドの伝統医療『アーユルヴェーダ』に着目した。そこでは尿が薬として使われていることを知り、自ら試してみた」と説明した。また「尿を飲み始めたことで、精巣がんが完治したと信じている」と語る彼は「飲むだけでなく、スキンケアとして顔や身体にも尿を塗っている」という。
ケーシーさんはさらに、「尿を肌に塗って日光を浴びることで、皮膚の弾力が改善され、老化の予防にもつながる」と述べた。「まるで香水のような香りがする」と、その効果を強調している。
尿を飲んだり体に塗ったりする行為にはどんなリスクがあるのか
尿を飲む行為は、性感染症やウイルス性肝炎など、多くのリスクを伴う。尿は腎臓が血液から濾過した老廃物を含む液体であり、90%以上が水分だが、尿素や尿酸など体外に排出されるべき毒素が含まれている。つまり、尿を飲むということは、体が排出しようとした有害物質を再び体内に取り込む行為にほかならない。
また、排出された尿は時間とともに細菌が繁殖するため、皮膚に塗ることも危険である。細菌が増殖した尿を皮膚に塗布することで、皮膚感染症や重症化すれば敗血症を引き起こす恐れがある。
ウイルス感染の可能性も無視できない。特にA型肝炎ウイルスは尿を媒介として感染する代表的な病気の一つとされる。A型肝炎はB型やC型とは異なり、血液を介さずにウイルスに汚染された水や食べ物を通じて感染する。
ほとんどの感染は、患者の排泄物に汚染された飲食物の摂取による経口感染であり、集団感染は汚染された水や給食などを通じて発生することが多い。
主な症状としては、吐き気、嘔吐、発熱、全身のだるさなどがあり、感染から1週間以内に黄疸、黒い尿、色の抜けた便などの症状が現れた場合は、A型肝炎ウイルス感染を疑う必要がある。現在、A型肝炎ウイルスに対する根本的な治療薬は存在せず、主に症状を緩和するための対症療法が行われている。高タンパク質の食事療法と肝臓の安静が回復に効果的であり、重症化した場合には入院治療が必要になることもある。
急性A型肝炎の場合、約85%は3か月以内に臨床的および血液学的に回復し、多くは完全に治癒する。しかし、高齢者や、B型・C型などの慢性肝疾患を抱える人は、症状が急激に悪化し、急性肝不全になるリスクがあり、命に関わる深刻な結果を招く可能性もある。
さらに、尿の摂取は単純ヘルペスウイルスの感染リスクも高める。このウイルスは、ぶどうの房のような水疱を形成するのが特徴で、抗ウイルス薬や軟膏などで治療は可能だが、神経節に潜伏したウイルスを完全に除去することはできない。免疫力が低下するたびに再発しやすく、生活の質に大きな影響を与える病気である。