不治の病と診断された後、性的自由を求めて旅立った女性
42歳という若さで、治療不可能な末期がんと診断されたモリー・コチャン（Molly Kochan）氏。多くの人がスカイダイビングや世界旅行といった「死ぬまでにしたいことリスト」を思い浮かべる中、モリー氏は全く異なる選択をした。
彼女は夫と離婚した後、189人以上の男性と関係を持つ「夜の営みの旅」に出た。
3日（現地時間）、イギリスのメディア「ザ・サン」は、モリー氏の物語を報じた。
モリー氏は、33歳の時に胸にしこりを発見したが、医師から「年齢的にがんの可能性は低い」と言われ安心していた。しかし6年後に乳がんと診断され、抗がん治療や両側乳房切除術、放射線治療など、苦痛の日々を送ることとなった。
2015年には、がんが脳や肝臓、骨にまで転移してしまった。モリー氏は、末期がんという衝撃的な診断を受け、人生の生き方を根本から変えることを決意した。
そして、15年間続いた結婚生活をわずか6か月で終わらせた。モリー氏は「もしもっと慎重な性格だったら、このような選択はできなかった。がんだったからこそ、勇気が出た」と告白した。
その後、彼女は多くの男性との性的関係を持ち始めた。「夜の営みは、生きていることを実感させてくれる。病気を忘れさせてくれる最高の方法だった」と語り、死ぬまで一切の後悔はなかったという。
相手には、ライアン・レイノルズ氏に似た男性から、ピエロの格好をした遺体処理業者、足フェチの男性まで、様々な人がいた。
ポッドキャストに残された「愉快な夜の営み日記」
この衝撃的な体験は、親友で番組司会者だったニッキ・ボイヤー（Nikki Boyer）氏によって、ポッドキャスト『ダイイング・フォー・セッ〇ス（Dying For S□x）』として記録された。
2019年、モリー氏は45歳でこの世を去った。彼女の死後、2020年にこのポッドキャストが公開され、リスナーから熱烈な反響を呼び、500万回以上のダウンロードを記録した。ニッキ・ボイヤー氏は、「これは単なるセックスの話ではない」と強調した。
ポッドキャストでモリー氏は、「昼食前に2回のデートをしたこと」や、「ドーナツ店で出会った男性とキスをした話」、さらに「健康が悪化するにつれて、セックスはより激しくなった。人生をコントロールできる唯一の方法だった」といった体験を語った。
モリー氏が追い求めたのは、単なる肉体的欲望ではなかった。彼女の行動は、幼少期に受けた性的虐待の記憶と向き合い、自分の身体を再び取り戻そうとする意志の表れでもあった。
彼女は死の直前、日記にこう記した。「恋に落ちたかったけど、その人は現れなかった。でも突然気づいたの。私は今、自分自身と恋に落ちているんだって」
最近、この物語は女優ミシェル・ウィリアムズ氏主演で、ドラマ『Dying for S□x』として制作された。ウィリアムズ氏は「6回連続で偽のオーガ□ムを演じるシーンが、最も難しかった」と振り返った。
コメディアンのロブ・デラニー氏は、劇中でモリー氏の隣人を演じ、モリー氏の支配的な性格を引き出すシーンで「ハイヒールで睾丸を蹴ってほしい」と要求するキャラクターを演じた。
ウィリアムズ氏は「30年の俳優人生で様々な性的なシーンを演じてきたが、1人で演じるシーンは初めてで緊張した」と述べ、「そのシーンの終わり頃には、金魚鉢を見ながら自慰行為をする演技をすることになった。台本を読んだとき『本当に狂っている』と思った」と語った。