
カナダEC企業のShopify (ショッピファイ)が、AI時代に対応して採用方針を転換している。同社の創業者兼CEOであるトビアス・リュトケ氏は最近、AIで代替できない業務にのみ人材を採用すると大胆に宣言した。
7日(現地時間)、米経済メディアCNBCは、リュトケ氏が従業員向けメモで「増員や追加リソースの要請前に、まずAIでその業務が遂行できない理由を証明する必要がある」と述べたと報道した。さらに「AIアシスタントがチームの一員だったら、この分野はどう変わるだろうか。この問いは興味深い議論やプロジェクトにつながる可能性がある」と語った。
リュトケ氏は、従業員の日常業務へのAI活用に対する基本的な期待感を強調し、AIを活用した従業員の生産性が大幅に向上したと説明した。「以前は想像もつかなかった業務に多くの従業員がAIを活用し、その結果、業務効率が100倍向上する様子を目の当たりにした」と述べた。
Shopifyは、オンライン小売業者向けの販売管理・運営支援ウェブソフトウェアを提供する企業だ。リュトケ氏は今後、従業員の業績評価にAI活用率を反映させる方針も示した。
この動きは、今年テクノロジー企業がAI開発に巨額投資を行う中で生じている潮流の一環だ。Shopifyは「Sidekick」というチャットボットや「Shopify Magic」という自動化ツールなど、販売者向けAIサービスを展開している。テック企業各社はAI分野への大規模投資を進める一方、不採算プロジェクトの中止や他部門のコスト削減など、構造改革も並行して進めている。
IT業界の人員削減状況を追跡するサイト「レイオフス・ドット・ファイ(Layoffs.fyi)」によると、昨年は549社で約15万2,000人の雇用が失われた。Shopifyの年次報告書では、総従業員数が1年前の8,300人から昨年末には8,100人に減少している。同社は2022年に全従業員の14%、2023年には20%の人員削減を実施している。