
死亡前日、息子を放置し知人と飲酒
「食事を与えるのも面倒」
生後18か月の息子を餓死させた容疑で起訴された母親に対し、検察が懲役20年を求刑した。
韓国の釜山地方裁判所の刑事5部(キム・ヒョンスン部長)は7日、児童虐待犯罪の処罰等に関する特例法(児童虐待致死)違反などの容疑で起訴されたA(20代・女)被告の結審公判を開いた。
この日、検察はA被告に懲役20年を宣告するよう裁判所に求めた。また、児童虐待治療プログラムの履修と10年間の児童関連機関への就職制限を命じるよう要請した。
検察は「被告人は被害者の唯一の保護者でありながら、適切な養育義務を怠り、最終的に被害者を死に至らしめた」と指摘。
被告側の弁護人は「被告人は自身の過ちを深く反省している」とし、「被告人は被害者が亡くなるまで食事を与えようと努力し、被害者の状態が悪化するたびに動画を撮影して知人に送ったり助けを求めようとしていた点、被害者の死亡直前に被告人が酒と睡眠薬の影響で正常な判断ができなかった点などを考慮してほしい」と情状酌量を求めた。
A被告は最終陳述で「誤った行動で息子を失い、結果的に多くの人に大きな傷を与えてしまった」と述べ、「これまでずっと寂しかったであろう息子に本当に申し訳ない」と涙ながらに語った。
A被告は昨年10月15日午後、釜山海雲台区(プサン・ヘウンデ区)のアパートで生後18か月の息子B君を遺棄・放置し死亡させた疑いがある。死亡時、B君の体重は4.98kgで、これは18か月男児の平均体重(11.72kg)の約40%に過ぎなかった。
B君が亡くなる3日前、白目をむきながら痙攣を起こしていたが、A被告は経済的理由から病院に連れて行かず、食事と水を与えて寝かせたという。その後、A被告は死亡当日にB君を家に一人で放置し、知人と酒を飲みに出かけていたことが判明した。
A被告は出生届を提出せず、知人に「食事を与えるのも面倒だ。私の腹からこんな悪魔が生まれた」「笑い声を聞くのもうんざりだ。なぜ死なないのか」などと常軌を逸した発言を繰り返していたという。
また、粉ミルクの量を多くすると排便量が増えるという理由で、推奨量より2〜3スプーン少なく与えていたことも明らかになった。裁判所はA被告に対する判決宣告の期日を今月23日午前10時に指定した。