
バービー人形になりたいという思いから整形に約2,000万円をかけた30代のイギリス人女性が話題となっている。
英紙デイリー・メールは、アリシャ・アルミラ氏(32)は21歳から整形手術を受け始めたと報道した。バービー人形のような外見を手に入れるため、鼻、胸、額などの手術に加え、リップフィラーやボトックスなどの施術に10万ポンド(約1,870万円)を費やした。さらに、日焼けサロンやまつげエクステ、ネイルなどの美容施術も継続的に受けてきた。
アリシャ氏は整形した部位の中でも特に胸に自信を持っているが、さらなる手術を望んでいるという。「胸がもっと大きくなってほしい」と述べ、「私は常に極端なものに魅力を感じる」と語った。さらに、「私の信念について論争の余地がないにもかかわらず、論争があるように評価されることが興味深い」と付け加えた。
終わりなき整形手術、「身体醜形障害」の疑い
アリシャ氏のように絶え間なく整形手術を繰り返す人の場合、整形中毒を意味する身体醜形障害が疑われる。身体醜形障害は、自分の外見を歪んだ視点で捉え、実際には些細な欠点にもかかわらず極端に否定的に認識してしまうという精神疾患だ。
身体醜形障害は、世界保健機関(WHO)や米国精神医学会(APA)でも公式な精神疾患として分類されている。具体的な原因は明らかになっていないが、家族歴や身体・自己像に対する否定的な評価や経験、脳内化学物質の異常値など、複数の要因が複合的に作用して発生すると考えられている。
醜形恐怖症として知られる疾患
一般的に醜形恐怖症として知られる身体醜形障害の患者は、外見に対して過度な執着を見せる。自身の外見や体型を否定的に捉え、強い不安を感じ、それを解消するために整形を繰り返すという傾向がある。しかし、整形後も満足感を得られず、整形を繰り返すという悪循環に陥る。実際、身体醜形障害の患者の約76%が整形手術を検討し、66%が整形を受けた経験があるという研究結果が出ている。
この疾患の治療には、単に整形をやめるだけでなく、根本的な心理療法が必要だ。自身の歪んだ思考パターンを認識するための認知行動療法や、強迫的な思考を緩和する抗うつ薬などが治療法として用いられる。
鼻や胸の整形手術は一般化しているが、依然として副作用のリスクがある。豊胸手術では、インプラントを挿入するが、代表的な副作用として触感が硬くなり痛みが生じる被膜拘縮がある。
鼻の整形は副作用が比較的多い手術として知られている。胸の手術と同様に拘縮が起こりやすい。鼻にインプラントを挿入すると、その周りに薄い膜が形成される。炎症が起こり、この膜が硬化して鼻が縮むという拘縮が生じる。また、ボトックスの過剰投与は顔面麻痺などを引き起こす可能性がある。フィラーは稀に皮膚壊死や血管炎などの症状を引き起こすことがある。