
一部の企業の採用担当者が、面接で求職者が使ったコーヒーカップの扱い方を選考結果に反映しているという。
米経済誌「Fortune」は6日(現地時間)、一部の採用担当者が応募者に対していわゆる「コーヒーカップテスト」を実施していると報じた。
報道によると、会計プラットフォーム「Xero」の元常務取締役であり、ホテル向けコマースプラットフォーム「SiteMinder」のCEOを務めるトレント・イネス氏は、最近のポッドキャスト番組『The Ventures』に出演し、このテストについて紹介した。
イネス氏は「コーヒーカップテスト」について、「応募者を社内の給湯室に案内し、一緒にコーヒーを飲んだ後、そのカップを持って面接に臨む」と説明した。
そして「ブラックで飲むか、砂糖を入れるかは結果に影響しない。コーヒーの代わりに水やお茶を飲んでも問題ない」と述べた。
さらに「面接終了後に、そのカップを自発的に給湯室へ戻そうとするかどうかを常に確認する」と語った。
職務にふさわしいスキルを持つ応募者でも、使用したカップをそのまま置いて退室した場合、採用担当者からの連絡が来ない可能性が高いという。
イネス氏は「カップを片付けないという行為は、その人が会社の文化に合わないという警告サインでもある」とした上で、「スキルや知識、経験は後からでも身につけられるが、もっとも重要なのは「態度」だ。使ったコップやマグカップ、グラスを元の場所に戻すことは、チームの一員として思いやりがあり、小さなことにも気を配れる人物であることを示す」と語った。
採用担当者の間では、この「コーヒーカップテスト」が実際の採用において効果的だという声もある。
グローバルなエグゼクティブ人材紹介会社「ベントリー・ルイス」のCEOであるルイス・マレ氏は、「これは私の20年にわたる採用経験の中で見てきた、数多くの微妙なテストの一つだが、本当に価値があると感じている」と話す。
「このような些細な行動を観察することで、面接での正式な質問応答では絶対に知ることができない、その人の本質が見えてくる」とし、「採用の多くは、組織文化との適合性に関わるものであり、このテストは応募者が企業文化にマッチするかを見極める上で重要な要素だ」と述べた。
ただし、「どれほど優秀な応募者でも緊張していたり、慣れない環境では失敗することもある。このテストはあくまでも選考の一部である」とも付け加えた。