
アメリカ・フィラデルフィア動物園で、100年近く生きた絶滅危惧種のガラパゴスゾウガメのカップルが初めて卵を産んだ。92年間動物園で過ごしてきた雌の「マミ」と雄の「アブラジョ」の産卵は、フィラデルフィア動物園150年の歴史の中で初めてのガラパゴスゾウガメの孵化事例として歴史に名を刻むこととなった。
AP通信は7日(現地時間)フィラデルフィア動物園で絶滅危惧種のガラパゴスゾウガメ4匹が卵を破って誕生したと報じた。そして動物園側は、この孵化が150年以上の歴史を持つ動物園で初めての出来事であり、非常に喜ばしいことだと伝えた。
誕生した4匹のガラパゴスゾウガメは、動物園で最も長生きしている雌のマミと雄のアブラジョの子どもたちである。2匹それぞれ100歳近くの高齢で、今回の産卵はガラパゴスゾウガメの種の保存にとって非常に重要な意味を持っていると伝えられた。
孵化した4匹の子ガメは現在、動物園の爬虫類・両生類館内で保護されている。動物園関係者によると、子ガメたちは元気に成長しており、体重は70〜80g程度で、卵1個分の重さだという。
また、最初の卵は2月27日に孵化し、残りの卵も動物園側で監視を続けていると発表された。
園長は「これはフィラデルフィア動物園の歴史における重要な節目だ。この子ガメたちが100年後にも地球で繁栄できるようにすることが、動物園の目標だ」と語った。
「マミ」はアメリカ動物園・水族館協会(AZA)の種保存計画で遺伝的に非常に価値のあるガラパゴスゾウガメの1匹として評価されており、ガラパゴスの生物の中でも最も高齢の初産母でもある。
一方、AZA認定を受けた動物園で最後にカメが孵化したのは2019年、サウスカロライナ州コロンビアのリバーバンクス動物園でのことだった。サンディエゴ動物園、マイアミ動物園、ホノルル動物園にも繁殖が可能なカメのカップルがいると伝えられている。