
10代の娘の交際に不満を抱き、娘の交際相手に刃物を振り回したとして起訴された30代の女性に、控訴審でも執行猶予が言い渡された。
韓国・大邱(テグ)高等裁判刑事第1部(チョン・ソンウク部長判事)は10日、当時10代だった娘の交際相手である男子中学生を刃物で刺したとして殺人未遂の罪に問われた30代のA被告に対し、検察の控訴を棄却し、懲役3年・執行猶予5年の原判決を言い渡した。
A被告は昨年9月9日午後10時34分頃、大邱市・寿城区(スソン区)・凡魚洞(ボモ洞)の路上で、16歳の娘とその交際相手である14歳のBさんを見かけ、刃物を隠し持って近づき腹部と肩を刺し、殺害しようとしたものの未遂に終わったとされている。
調査によると、A被告は以前から娘がBさんと交際していることに不満を抱いていたという。娘が交際を始めてから非行に走り、自傷行為や自殺未遂を繰り返すようになったためだとされている。
A被告は2人を引き離そうと、娘を連れて済州島に引っ越したものの、娘の問題行動は収まらず、Bさんとの交際も続いていたのだ。
A被告は取り調べの過程で、事件当日、酒に酔った状態で娘と電話していた際、娘がBさんと喧嘩して泣いているのを知り、我を忘れて犯行に及んだと供述したという。
Bさんはこの事件で、全治8週の重傷を負った。
裁判所は、判決理由について「被告の行動は、状況次第では被害者の命を奪いかねない重大な犯行だ。娘の交際をめぐって被告が大きな不満を抱き、酒に酔った勢いで理性を失い、突発的に犯行に至った点を考慮する」と述べた。
さらに「被告が被害者に相当額の示談金を支払い、和解が成立していることや、夫と離婚し未成年の子ども四人を一人で育てている事情も考慮した」と付け加えた。
第一審判決では「罪の重さは軽視できないが、犯行を認めて反省している点や、示談金5,000万ウォン(約490万円)と治療費4,000万ウォン(約390万円)を支払って円満に示談が成立している点、被害者側が処罰を望まず、被告の事情を考慮して寛大な処分を求めている点などを踏まえた」として、懲役3年・執行猶予5年の判決が下されたという。