近所の高齢者をモチーフにしたカードを集めることに夢中になっている地元の子どもたち
人生をかけて築き上げた業績が一枚のカードに収められ、子どもたちの遊び道具になるとしたら、どんな気持ちになるだろうか。
先月12日(現地時間)、フジテレビ系列のFNNによると、福岡県の子どもたちの間で、近所の高齢者をモチーフにしたカードを作って対戦する遊びが流行しているという。
この地域の子どもたちは、ポケモンや遊戯王のような一般的なカードではなく、実際に地域に住む高齢者が描かれたカードを熱心に収集している。
各カードには、高齢者の職業などに基づいた特殊能力や攻撃力が記載されている。子どもたちはこれらを使ってカード対戦を行ったり、話し合いながら交換したりしている。

最も人気があるのは「オールラウンダー」カードだ。その主人公は、現在様々なボランティア活動を行っている元教育関係者の藤井さん(68歳)である。
ある子どもは「オールラウンダー」と呼ばれる藤井さんを訪ね、直筆のサインをもらったという。
「オールラウンダー」以外にも、「そば師匠」の異名を持つそば職人の竹下さん(81歳)や、「ファイヤーウォール」と呼ばれる元消防士の本田さん(74歳)などがカードに登場している。
実は、これは地元の子どもたちと高齢者をつなげたいと考えた地域団体の事務局長、宮原絵里さんのアイデアだった。
宮原事務局長は、「この地域には本当に素晴らしい人々がたくさんいる。誰も彼らのことを知らないのがとても残念だった」と、高齢者カードゲームを考案した理由を説明した。
このカード遊びが流行し始めてから、子どもたちはカードに登場する高齢者に直接会うため、地域のボランティア活動やイベントに積極的に参加するようになるなど、好ましい変化が見られているそうだ。
