
飲みすぎた翌日、顔の腫れに気づきながらも無理に運動を続けた30代男性が、大動脈瘤破裂に見舞われ命を落としかけたというエピソードが伝えられた。
14日(現地時間)、ニューヨーク・ポストによると、中国に住む33歳の男性Aさんは、酒を飲んだ翌朝、顔が腫れて目元がむくんだ状態で目を覚ました。彼は単なる飲みすぎによる浮腫だと軽く考えたが、原因は酒ではなかった。
数日経っても腫れが引かず、Aさんは病院を訪れた。だが医師は明確な原因を突き止めることができなかった。ただ、尿検査では異常なほど高いタンパク質値が検出された。医師は腎臓に関連する疾患の可能性を疑い、薬を処方してAさんを帰宅させた。
その後も症状は悪化し、顔だけだった腫れが全身へと広がり、胸の圧迫感、腹部の膨張感まで現れた。しかし複数の病院を巡っても、原因は明らかにならなかった。
Aさんが最初の症状を自覚してから約3か月後、青島の病院でついに「Valsalva洞動脈瘤破裂(RSOVA)」と診断された。これは非常に稀な致命的な心臓疾患だ。
RSOVAとは、大動脈弁付近の弾性組織に欠陥が生じて動脈壁が破裂する病気で、先天性心疾患の中で約3.5%の割合で発生する比較的珍しい疾患だとされている。韓国・ソウル峨山(アサン)病院によれば、西洋人では0.14〜0.23%、東洋人では0.46〜3.5%と、アジア人に比較的多く見られるという。
特に20〜30代の若年層、そして女性より男性に2〜3倍多く発生し、激しい運動や重い物を持ち上げるなどの動作によって誘発されることが多いとされる。破裂すると、胸の痛みや呼吸困難、失神、倦怠感、全身の浮腫といった症状が現れる。
治療せず放置すれば心不全に至り、1年以内に死亡するケースもあるが、早期の診断と手術によって長期的な生存率は高いとされている。
専門家によると、今回のAさんのように、飲酒後に無理な運動を行ったことが大動脈瘤破裂の引き金になった可能性が高いという。最初に現れた顔のむくみも、その兆候だったと考えられている。
Aさんは現在、手術を受け健康を回復し、元気に過ごしているという。報道は「二日酔いの体でジムに行く前に、自分の体の状態をよく考えるべきだ」と注意を促している。