韓国の京畿道(キョンギド)・龍仁(ヨンイン)市で両親と妻、娘2人を殺害した50代男性について、警察は「計画的犯行」と判断し、身柄を拘束して捜査を進めている。
20日、京畿道龍仁西部警察署は、両親と妻、2人の娘など家族5人を殺害した容疑で50代男性のイ容疑者(56)を拘束し、捜査を行っていると発表した。

イ容疑者は去る14日夜、京畿道・龍仁市・水枝(スジ)区の自宅で犯行を行った後、翌日未明に光州(クァンジュ)広域市・東区にある別の住居へと逃走したとされている。
犯行の手口は周到だった。イ容疑者はスプーンで食べるタイプのヨーグルトに睡眠薬を混ぜて家族に食べさせ、彼らが眠った隙に殺害したのだ。犯行後すぐに光州へ逃走した点や、長期間にわたって睡眠薬を処方してもらいながら準備していた点などから、警察はイ容疑者が綿密に計画を立てていたと見ている。実際、処方を受けた病院と薬局はいずれも光州にあることが確認された。
イ容疑者は警察の取り調べを通じて、犯行をすべて認めた上で「民間賃貸アパートの分譲事業が失敗し、多額の借金を抱えた。家族にその借金を背負わせたくなかった」と供述しているという。彼は事業契約者たちから詐欺の容疑で告訴されていたという。
そのため、家族全員を「苦しみから解放する」という名目で殺害に及んだと主張している。また、留学中だった娘を帰国させたという事実は、そうした彼の主張にさらなる衝撃を与えた。
しかし専門家らは「睡眠薬を集め、投与方法まで計画していたことは、極めて理性的な判断を伴う行動だ」とし、「これは『偶発的な選択』ではなく『明確な計画犯罪』である」と強調している。
現在、警察はイ容疑者の供述が事実かどうかを含め、より具体的な犯行動機や心理状態について調査を続けており、反社会性パーソナリティ障害(サイコパス)に関する検査の実施も検討中だという。