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2024年11月16日土曜日
ホームトレンド電気自動車への完全転換の課題は銅!電気自動車の増加と銅の生産量の不均衡が電気自動車の進化を阻む…対策はハイブリッド車

電気自動車への完全転換の課題は銅!電気自動車の増加と銅の生産量の不均衡が電気自動車の進化を阻む…対策はハイブリッド車

銅の生産量とカーボンニュートラルとの関係を予測した国際エネルギーフォーラム(以下、IEF)の研究チームによる研究結果が出た。銅の生産が電気自動車の需要増加に追いつけず、電気自動車への転換は実現しにくいと見込まれた。

IEFは最近の研究報告書を通じて、全世界の電気自動車需要に対応するためには、カーボンニュートラル目標年である2050年までに新規銅鉱山を55%増やさなければならないと明らかにした。そして、「エネルギー転換を考慮しても、現在のトレンドに合わせるためには、2018年以前に採掘された銅よりも少なくとも115%多くの銅を採掘しなければならない」と付け加えた。

この研究を主導したローレンス・キャッスルズ米国コーネル大学地球・大気科学教授とアダム・サイモン米国ミシガン大学地球・環境科学教授は、全世界の銅生産速度が全世界の電気自動車需要増加に追いつけないとのことを見つけだした。

キャッスルズ博士は「この研究結果は、脱炭素化の核心材料である銅の需要と供給の間に断絶があることを示している」と説明した。

銅供給の場合、年間銅生産量は2050年までに82%増加する見通しで、銅リサイクルによる追加分を考慮すると、総供給量も増加すると予想される。ただし、銅の総生産量推定値は2086年にピークを迎えてから減少すると予想される。

銅需要の観点から2050年までにカーボンニュートラルを実現する場合、少なくとも194か所の鉱山または毎年6か所の新規鉱山が必要であることが明らかになった。現状同様にカーボンを排出する場合、毎年約35か所の鉱山が必要である。これは、研究チームが銅のリサイクルが増加すると予想し、新規鉱山開発の需要を楽観的に予測した結果である。

研究チームは銅の埋蔵量は十分であると見ている。既存のトレンドならば、銅の生産量は2050年までに約16億9000万トンを記録すると予想される。これは、研究チームが推定した総銅資源量である約66億6000万トンの26%に相当する量である。

問題は、銅が電気自動車への転換を支えるほど速く採掘できるかどうかだ。2019年から2022年の間に稼働した新規銅鉱山を見ると、資源の発見から稼働まで平均23年かかっていた。

このため、研究チームは電気化による銅需要と鉱業業界への圧力のバランスを整える代替案として、ハイブリッド車を提案した。内燃機関車両とハイブリッド車の製造に必要な銅の量に大きな差はないというのが彼らの説明だ。

研究チームは「銅60kgが必要な電気自動車100%転換よりも、2035年までに銅29kgが必要なハイブリッド車100%転換を目指していくのが賢明だろう」とし、「完璧な解決策ではないが、はるかに現実的な解決策だ」と強調した。

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