現代自動車グループでアーバン・エア・モビリティ(UAM)の開発を行う米国法人の「スーパーナル」が、世界3大エアショーのひとつであるイギリスのファーンボロー国際航空ショーで次世代AAM機体「S-A2」を披露する。S-A2は2028年に商業化される予定である。
スーパーナルは22日(現地時間)から26日まで、イギリスロンドン郊外のハンプシャー州のファンボロー空港で開催される「ファーンボロー国際航空ショー2024(2024′ Farnborough International Airshow)」に参加すると発表した。ファーンボロー国際航空ショーは航空宇宙産業の最新技術や動向を確認できる展示会で、パリ・シンガポールエアショーと共に世界三大航空ショーとなっている。
スーパーナルはここでeVTOL車両コンセプト「S-A2」を展示する計画である。電気バッテリー駆動方式であるS-A2は、全長10m、全幅15mで、操縦士の他に4人を含めて5人の搭乗が可能である。航続距離は最大40マイル(約64km)である。垂直に離着陸が可能であり、ヘリコプターに似ているが、炭素排出量が少ないとの点から未来のモビリティとして優れていると評価されている。
スーパーナルがファーンボロー国際航空ショーへ参加するのは今回で二回目である。2022年に初参加した際には、電動垂直離着陸機(eVTOL)「S-A1」の内装コンセプトモデルを公開した。
スーパーナルはS-A2の公開と同時に、2028年の商業運航に向けた進捗状況も共有する方針である。来年のS-A2プロトタイプのテスト飛行計画から商業化までの過程を詳細に示す予定である。年末には模擬飛行訓練装置(FSTD)のテスト飛行を開始し、本格的な商業化を始める。
スーパーナルのデイビッド・マクブライド最高技術責任者(CTO)は「今年はスーパーナルのeVTOL開発において最も重要な年である」とし、「エンジニアリング段階から実行段階への移行を意味する」と説明した。続けて「FSTDを皮切りに、プロトタイプを開発し、機体を生産する能力を拡大するための作業を並行して進める」と付け加えた。
シン・ジェウォンスーパーナル最高経営責任者(CEO)は「2028年の商業用高度な航空モビリティ運営に先立ち、スーパーナルの最新製品の里程標となるeVTOL製品コンセプトを航空産業と共有したい」と述べ、「S-A2は『適切な製品、適切な市場、適切な時期』(right product, right market at the right time)の3つの要素に重点をおいて開発され、今後AAMが公共交通手段になるために重要な里程標となる」と伝えた。
一方、スーパーナルは規制当局との協力拡大のための人材も確保した。先月、国際無人輸送システム協会(AUVSI)の規制および安全担当副社長であるトレイシー・ラム博士を最高安全責任者(CSO)として迎え入れた。トレイシー・ラム新CSOは航空安全など民間航空分野で28年のキャリアを持つ専門家である。