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2025年04月17日木曜日
ホームトレンドヒトラーの「国民車」が再び軍用へ?フォルクスワーゲンCEOが防衛産業参入を表明 その歴史的意味とは

ヒトラーの「国民車」が再び軍用へ?フォルクスワーゲンCEOが防衛産業参入を表明 その歴史的意味とは

1938年、ドイツ総統アドルフ・ヒトラーの指示に基づき、ドイツ軍は軍用車両の導入計画を開始した。軍の要請を受け、フォルクスワーゲン創業者フェルディナント・ポルシェ氏は国民車として開発した「ビートル」を基に、多目的軍用車の設計に着手した。彼はビートルの堅牢な骨格を保持しつつ、シャーシを強化、車体下部を高くすることで地面との接触を避ける構造にした。フォルクスワーゲンは試作品を製作し改良を重ね、1939年に「キューベルワーゲン」という多目的軍用車を完成させた。キューベルワーゲンは「1人用シートを搭載した車両」という意味を持つ。第二次世界大戦の勃発により、ドイツ軍はヴォルフスブルクのフォルクスワーゲン工場を軍需生産に転換、そこでキューベルワーゲンを量産し、戦場に投入した。

また、フォルクスワーゲンは水上走行も可能な軍用車の開発にも着手し、1942年に水陸両用車「シュビムワーゲン」を製作した。この車両はキューベルワーゲンを改造し、水中走行時に作動する折りたたみ式プロペラを車体後部中央に装備した。「シュビムワーゲン」は「泳ぐ車」という意味である。第二次世界大戦中、キューベルワーゲンは約5万2,000台、シュビムワーゲンは約1万4,000台が生産された。戦後、フォルクスワーゲンはヒトラーの戦争犯罪に加担した企業として批判を受け、軍用車の生産を中止した。その後、冷戦時代の1960〜1980年代に、フォルクスワーゲンはキューベルワーゲンの後継車であるオフロード車「タイプ181」を生産し、ドイツ連邦軍にも納入した。

フォルクスワーゲンCEOのオリバー・ブルーメ氏は11日、「軍用車生産など防衛産業への参入を検討している」と発表した。自動車生産を停止予定のドイツ国内2工場を防衛産業に転用する可能性を慎重に検討していると説明した。これについて、フォルクスワーゲンが自動車需要の減少に対応するため、また欧州各国の国防力強化政策により市場が拡大する防衛産業分野に本格的に参入する戦略だとの分析が出ている。ドナルド・トランプ米大統領が安全保障同盟にまで影響を及ぼしたことを契機に、欧州各国は防衛費増額の動きが加速している。これが、世界的な競争力を持つ韓国の防衛産業にとっては、好機となる可能性がある。政府と与野党は税制や予算、金融などの支援を通じて防衛産業を積極的に後押しすべき時期に来ている。

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