「自然分娩しろ」と言ったサッカー選手に女性たちが激怒…トルコで何が起きているのか

帝王切開手術が最も多く行われているトルコで、医学的理由のない民間医療機関での帝王切開手術が禁止され、医療界や野党、女性・人権団体が反発している。
特にこの措置の発表後、男性サッカー選手たちが「自然分娩が自然だ」と書かれた大型横断幕を掲げて競技場に入場したことで、「いつから男性サッカー選手が出産の専門家になったのか」との批判が殺到している。
21日(現地時間)、AFP通信などによると、トルコ保健省は官報で「計画的な帝王切開手術は医療機関で実施できない」との規定を公表した。
この措置の発表後、フェネルバフチェとシヴァススポルの試合で、シヴァススポルの選手たちが保健省の措置を支持する「自然分娩が自然だ」という文言が書かれた大型横断幕を掲げて入場した。
これに対し、野党・共和人民党のゴケ・ゴケン副議長は「男性サッカー選手が女性に出産の仕方を教えている」と指摘し、「無知で女性の体に干渉するのはやめ、女性の体から手を引け」と批判した。特に、トルコ・ラジオ・テレビ最高評議会(RTÜK)によると、サッカーはトルコで最も視聴されているスポーツであり、全テレビスポーツ視聴率の81.3%を占める。しかし、視聴者の大半が男性であるため、女性に関する発言をすることに問題があるとの指摘が出ている。
一方、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「横断幕には誰に対する侮辱も、批判も、尊重の欠如もなかった。女性を侮辱するようなものは何もなかった」とし、「なぜ我が省が正常な出産を奨励することがあなたたちにとって不快なのか」と反論した。
また、トルコの人口減少について「戦争よりもはるかに深刻な脅威だ」と指摘し、「このような愚かなことに時間を費やす余裕はない」と強調した。エルドアン大統領は、これまでも女性の自然分娩を奨励してきた。
彼は以前、少子化問題解決のため、今年1月に2025年を「家族の年」と宣言し、女性1人あたり最低3人の子どもを産むべきだと主張した。トルコの出生率は、2023年に過去最低の1.51を記録している。
トルコは2021年時点で、経済協力開発機構(OECD)38カ国中、帝王切開分娩率が最も高い。世界人口レビューによると、この年トルコでは1,000人あたり584件の帝王切開手術が行われた。
この問題に対する医療界の反応は分かれている。ある産婦人科医は「自然分娩がより健康的だと主張する医師もいれば、帝王切開が安全だと主張する医師もいるため、この問題の結論を出すのは難しい」と述べた。
さらに「自然分娩は膣を通して正常に出産するため、特定の疾患のリスクを排除すると言われているが、膣の弛緩や色素沈着を引き起こし、母親の今後の生活に影響を与え、産後の尿失禁につながる可能性もある」と懸念を示した。