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2025年04月28日月曜日
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「核実験の隠蔽」は可能だった?地震波が爆発波形を完全に覆い隠す恐れを専門家が指摘

引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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地下核実験の地震波を近隣の自然地震の地震波で隠蔽できる可能性があるとの研究結果が発表された。これは地下核実験など隠蔽できないという従来の通説を覆す内容であり、学界の注目を集めている。

28日、科学界の報告によると、米エネルギー省傘下のロスアラモス国立研究所のジョシュア・カーマイケル博士の研究チームが最近、米国地震学会の学術雑誌『BSSA』にこの研究結果を発表した。研究チームは米ネバダ核実験場で収集した核爆発データと自然地震データを用い、爆発規模を調整した波形を地震波形に埋め込み、これを技術的に識別できるかを分析した。

その結果、研究チームは爆発波形が地震波形に隠される「爆発マスキング現象」が実際に起こり得ることを確認した。分析結果によると、97%の確率で1.7トン規模の地下爆発が識別できる最先端の探知技術でも、爆発から100秒以内に250km以内で自然地震が発生した場合、探知率が37%まで低下するという。

さらに、地震が繰り返し発生することで生じる波形が爆発波形と重なる場合、探知確率が16%にまで低下する可能性があると研究チームは説明した。ただし、核実験の監視には大気中の特定の放射性核種の存在など他の方法もあるため、地震と核爆発が同時に起こっても完全に隠蔽される可能性は低いとしている。

カーマイケル博士は「爆発と地震の波形が重なると、最も感度の高いデジタル探知器でも爆発を識別する能力が低下する」と述べた。

この結果は、2012年に全米研究評議会 (NRC)が発表した包括的核実験禁止条約(CTBT)に関する報告書の内容と矛盾している。当時NRCは、核実験の爆発波形は自然地震の波形とは異なるため、隠蔽が困難だとの見解を示していた。これに対し米国地震学会は「地震波形が爆発波形を隠蔽できないとした2012年の報告書の再考を促す可能性がある」と述べ、再検討の可能性を示唆した。

カーマイケル博士は「特に過去20年間、6回の核実験を実施した北朝鮮の場合、周辺の地震観測機器の増加により、核実験場付近で予想以上に多くの小規模地震が確認されている」と懸念を表明した。さらに「地震波形から爆発探知の確率を算出する『最小限の方法論』を提供した」とし、「この情報を他の監視ツールと併用できる」と付け加えた。

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