
「サイコパス傾向のある人は、恐怖や嫌悪を感じる場面でも瞳孔が拡張しない」という研究結果が発表され、話題を集めている。
英紙デイリー・メールの報道によると、イギリスのカーディフ大学とスウォンジー大学の研究チームが、サイコパス犯罪者と一般の犯罪者の瞳孔反応を比較する研究を行ったという。
研究チームは、両者に恐ろしい場面やグロテスクな写真を見せ、その際の瞳孔の動きを観察した。
その結果、一般の犯罪者は自然に瞳孔が広がる傾向が見られたのに対し、サイコパス犯罪者は悲惨な写真を見ても瞳孔が拡大しないことが確認された。この特徴は「サイコパスの目つき」と呼ばれている。
研究の筆頭著者であるカーディフ大学のダン・バーレー博士は「通常、瞳孔はショックを受けたり恐怖を感じたりした際に拡張する。この研究結果は、サイコパス犯罪者に共通する感情的な欠落を物理的に裏付けるものだ」と述べた。
興味深いことに、サイコパス犯罪者でも、子犬や幸せそうなカップルといったポジティブな写真を見たときには、一般人と同様に瞳孔が拡張したという。研究チームは「サイコパスはすべての感情に鈍感なのではなく、脅威的な情報に対して特異的に反応しないだけだ」と説明した。
また、今回の研究を指導したカーディフ大学のロバート・スノーデン教授は「多くのサイコパス犯罪者は大胆で自信に満ちあふれ、冷酷に行動するように見える。恐怖心がなければ大胆な行動を取りやすく、感情に邪魔されなければ冷酷な行動もより容易になるのだ」と分析した。
なお、サイコパスとは、他者の権利を軽視・侵害し、反復的な犯罪行為や虚偽、詐欺的行為、攻撃性、無責任さを特徴とする反社会性パーソナリティ障害を指す。中には、巧みな話術で他人を魅了し、搾取する者もいる。