パリオリンピックの射撃競技で多くの選手が専用装備を身に付ける中、一般的な眼鏡にTシャツという軽装で銀メダルを獲得した軍人出身選手に注目が集まっている。
31日(現地時間)、アメリカの日刊紙「USA Today」は、前日にパリオリンピックの射撃混合10mエアピストル団体で銀メダルを獲得したトルコのユスフ・ディケチ選手(51歳)の活躍について、「普通の眼鏡だけで決勝まで進出した」と報じた。
ディケチ選手は他の選手のように特殊な眼鏡やヘッドセット型の耳栓などを着用せず、一般的な眼鏡をかけて試合に臨んだ。射撃選手のほとんどが雑音を遮断するためにヘッドセット型の耳栓や片側の目の視界を遮断するための特殊な眼鏡などを使用しているが、ディケチ選手は専用装備なしで左手をポケットに入れたままリラックスした様子で的に銃口を向けた。
ディケチ選手の競技中の姿は世界中のSNSで話題になり、日本ではX(旧Twitter)を中心に、ガチャやアイテムにお金をかけずにソーシャルゲームを楽しむ人に例えて「無課金おじさん」とも呼ばれ注目を集めている。
オンライン上では、「素手でオリンピックの銀メダルを獲得してしまった」、「スナイパーがオリンピックに出ているのかと思った」、「弘法筆を選ばず」、「装備に頼らなくても自分の才能と実力に自信があるのだろう」などのコメントが見られる。
1973年生まれのディケチ選手はトルコの準軍事組織「ジャンダルマ(国家憲兵)」総司令部の下士官として働き始めてから、射撃スポーツを始めた退役軍人である。2008年北京大会から5大会連続でオリンピックに出場し、ヨーロッパチャンピオンに7度輝いた実力者だが、オリンピックのメダルは初めて獲得した。