8日（現地時間）、デイリー・メールによると、22歳の中国人俳優ワン・シン（Xing Xing）氏が今月3日にタイのバンコクに到着し、同日午後にタイとミャンマーの国境地帯で行方不明となった。
ワン氏は最近タイの映画制作会社にキャスティングされ、映画撮影のために渡航したとされる。しかし、その制作会社は幽霊会社である疑いがあり、彼は身代金を狙った詐欺組織に拉致された可能性が高いとされている。
ワン氏が家族と最後に連絡を取った場所は、タイ北西部のメーソートであり、ここはミャンマーのミャワディと川を隔てた国境地帯だ。ミャワディは中国人を対象とした違法オンラインギャンブルやボイスフィッシングなどの詐欺犯罪が横行する地域として知られている。
ワン氏の行方不明は、彼の恋人が5日、自身のSNSで「映画撮影のためタイを訪れたワン・シンが、3日の正午頃タイ・ミャンマー国境のメーソート地域で突然連絡が取れなくなった」と緊急救助を呼びかけたことから明らかになった。
タイのペートンタン・シナワット首相は「中国人俳優ワン・シン氏がメーソート国境付近で発見され、ミャンマー国境警備隊に保護されている」と発表した。その後、タイ警察は同日午後12時5分ごろ、ミャンマー国境警備隊からワン氏を引き渡されたと明らかにした。タイ警察が公開した写真では、ワン氏が頭を丸刈りにされ、白い運動服を着ている姿が確認された。彼の脚には赤い跡があり、暴行被害が疑われている。
タイ当局は、今回の事件が中国人観光客のタイ旅行に影響を与えることを懸念している。昨年タイを訪れた観光客3,555万人のうち、674万人が中国人観光客だった。
ワン・シンは映画『イップ・マン3』やドラマ『你是我的栄耀（プラチナの恋人たち）』、『紅楼夢』、『玫瑰的故事』など、数多くのTVドラマや映画に出演している俳優だ。