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ハリウッドで最も有名なトランスジェンダー女性の一人であるモデル兼女優のハンター・シェイファーが、最近新しいパスポートを受け取った際の驚きエピソードを公表した。彼女は、パスポート申請時に「女性」を選択したにもかかわらず、新たに発行されたパスポートには「男性」と表記されていたという。
21日(現地時間)、アメリカのCBSニュースやニューズウィークなどの現地メディアによると、シェイファーはこの出来事について自身のSNSに動画を投稿した。昨年バルセロナでパスポートを盗まれ、新しいパスポートを取得するために更新申請をしたという。
HBOドラマ『ユーフォリア』で知名度を上げたシェイファーは、「ロサンゼルス(LA)の国務省領事業務局を訪れた」と述べ、「以前にも更新申請をしたことがあるが、今回も手続きは同じだった」と語った。
さらに「いつも通り申請書を記入し、性別の欄に女性と記載したが、新しいパスポートの表記が男性に変わっていた」と明かした。
シェイファーは、トランプ大統領が就任初日に署名した行政命令により、女性として表記されたパスポートを受け取れなかったと述べた。バイデン前大統領時代の2022年4月から、米国民はパスポートで「第三の性」を意味する「X」を選択できるようになっていた。
トランプ大統領は就任初日の先月20日、連邦政府が「女性」と「男性」のみを公式性別として認めることを定めた初の行政命令に署名した。同月27日には、トランスジェンダーの軍人の服務を禁止する行政命令を発表した。
米国務省は、パスポート申請書から「X」の性別選択オプションを削除するなど、トランプ政権の行政命令を実施するための作業に着手した。
シェイファーは「こんなことが起こるとは思ってもみなかったので、大きなショックを受けた」とし、「パスポートに『M』(男性を意味する英単語Maleの頭文字)が表記されること自体は気にしない。これが実際にトランスジェンダーとしての私のアイデンティティを変えることはないから」としつつも、「それでも、少し生きづらくなる」と懸念を示した。
シェイファーは「恐怖を煽ったり、センセーショナルに取り上げられたり、同情を得たりするため」ではなく、認識を広めるためにこの動画を投稿したと述べた。そして「トランスジェンダーは美しい。私たちの存在を消し去ることはできない」と力強く付け加えた。