寝る時の姿勢は健康にとって非常に重要なものである。
誤った姿勢で寝ると、朝起きてから1日中筋肉痛に悩まされたり、健康に悪影響を及ぼしたりする可能性がある。
しかし、持病を抱える人にとってはそれぞれに適切な睡眠姿勢が存在することもある。
専門家の意見をもとに、「仰向け・うつ伏せ・横向き」それぞれの長所と短所をまとめてみた。
1. まっすぐに仰向けで寝る
仰向けで天井を見ながら寝ることは、一般的には最も良い睡眠姿勢として知られている。
この姿勢は脊髄を支えながら、筋肉をリラックスさせて、疲労、体力回復につながる。首や腰の痛みを軽減するのにも効果的だ。
また、美容の面でも顔に圧力がかからないため、寝ている間にしわができにくいという。
しかし、この姿勢は睡眠時無呼吸症候群やいびきをかく人にはよくない姿勢だ。気道が狭まったり塞がれたりするリスクがあるためだ。
また、時には重力の影響で呼吸が難しくなることもあるため、過体重の人にも適さない。
逆流性食道炎など消化がうまくいかない人にとっても、胃酸が逆流する恐れがある。
妊婦の場合、妊娠後期にこの姿勢で寝ると胎児の心臓に多くの圧力がかかってしまうため注意が必要だ。
2. うつ伏せで寝る
うつ伏せで寝ると、気道が開き「いびき」を軽減する。しかし、肋骨に重力がかかるため、呼吸のエネルギー効率は低下する。
この姿勢は首や背中を支えるヶ所が少ないため、脊椎や首には良くない。
背骨からお尻は天井に向かってウェーブがあるので、首や脊椎が歪み、痛みが生じることがある。
美容の面でも、顔全体が圧迫されて、皮膚に刺激が加わり、目の周りや口の周りにしわができやすくなる。
首の横や後ろの肉が折り重なることで、首のしわを引き起こしやすいというのもある。
また、枕には汗やフケによって細菌が繁殖しやすいため、枕に顔を押し付けて寝ることで、ニキビができやすくなる。
3. 横向きに寝る姿勢
腰痛がある人にとっては横向きに寝る姿勢は適している。
特に脊柱管狭窄症を患う人の場合、さらにひざを曲げた姿勢で寝るのが良いだろう。
横向きで、両ひざの間に枕をはさんで寝ることで、腰の湾曲を自然に作り出し、脊柱管を広げて痛みが軽減されることがある。
脊椎や内臓にかかる圧力が減少するため、妊婦や高齢者にも良い姿勢といえる。
睡眠時無呼吸症候群の人も横向きで寝ることで、舌が後退し、気道を塞ぐのを防ぐため、症状が緩和される。
また、左側を向いて寝ると、胃酸が下に流れやすくなり、胃酸が食道まで上がってくるのを防ぐため、胃の消化不良や逆流性食道炎のつらさを軽減する。
ただし、横向きで寝る姿勢にも短所がある。
顔の下向きになる側が集中的に圧迫されるため、そこにしわができる可能性がある。また、片方の肩にかかる圧力が増加するため、肩に問題がある人は避けるべきだ。