寒い冬にぴったりの生姜茶が、多様な効能で健康を支える。生姜には、冬季に体を温め、熱を生み出す成分が含まれており、新陳代謝や血液循環を促進する効果がある。もともと生姜は消化不良や下痢の緩和、消化促進に優れているが、過剰摂取は胃粘膜を傷つける可能性があるため、胃が弱い人は控えめに飲むのが望ましい。
初期の風邪症状には生姜が有効だ。足や胃が冷えて消化が悪い人にも適しており、腰や膝が冷える症状にも効果がある。特に風邪の初期段階で生姜茶を飲むと症状が緩和される。生姜の辛味成分であるジンゲロールが発汗を促し、炎症や痰を除去しつつ体を温めることで、初期の風邪症状を和らげるからだ。
炎症軽減や消化促進にも生姜は効果的である。生姜茶は体内の炎症を鎮め、吐き気を抑え、筋肉の痙攣を和らげる。また、食物の消化を助け、他の食物の消化も促進する。また、腹部脂肪の減少にも役立つ。料理に生姜を調味料として使用することで、脂肪遺伝子や炎症を抑制し、腹部脂肪の減少に寄与する。そのため、調理する際に生姜を継続的に使うのが効果的だ。
運動後の痛みの緩和にも生姜茶は有効だ。朝に生姜茶を飲むと空腹感が減少するだけでなく、高強度の運動後の痛みも軽減されるという研究がある。毎日3gの生姜を摂取した女性アスリートは、6週間後に筋肉痛が大幅に軽減されたという結果も報告されている。
関節炎の緩和にも生姜が効果を発揮する。重度の膝関節炎患者に生姜とプラセボを投与した研究では、生姜を摂取した患者の方が痛みや機能障害が軽減されたという結果が得られた。関節炎以外にも、生姜は全般的な痛みの緩和に役立つとされている。
さらに、糖尿病の合併症予防にも生姜が有効である。関連研究によれば、生姜は尿中タンパク質濃度を低下させ、水分摂取と尿排出を抑え、腎臓損傷の進行を防ぐ。また、糖尿病患者の神経を保護し、血糖値を低下させる効果も確認されている。それに加え、血液循環の改善や血圧・コレステロール値の低下にも貢献する。
大腸がん予防にも生姜は効果的だ。米国ミシガン大学の研究チームが、15人の健康な成人に4週間毎日2gの生姜を摂取させた後、組織を採取して大腸の炎症を調査した。その結果、生姜を摂取したグループはプラセボを摂取した対照群と比較して、大腸の炎症が顕著に減少していたことが明らかになった。