「朝食やおやつは決して食べてはいけない」、「一つの運動だけをしろ」などは間違った俗説
誤ったダイエット方法に従うと体に負担がかかるだけでなく、体重が減るどころか健康を害する可能性がある。ダイエットに関する最も一般的な誤解にはどのようなものがあるのだろうか。
イギリスの健康・医療メディア「メディカルニューストゥデイ（Medical News Today）」などの資料を基に、健康的な体重減少を妨げる誤った「ダイエットの迷信」について調査した。
「朝食を抜けば体重を減らせる？」
朝食とダイエットの関係に関する専門家の意見は今でも分かれている。これまで発表された2,045件の研究を分析した結果、朝食を抜くことは過体重と関連していることが分かった。また、過体重のリスクを増加させる。
「特定の部位だけをターゲットにしたダイエット方法がある？」
お腹の脂肪など特定の身体部位にフォーカスしたダイエット方法は存在しない。専門家は「体重減少に伴い特定の部位に集中した運動を行うことで、そのようなダイエットが可能だという印象を受けることはある」と述べている。
ダイエットの基本原理は、摂取カロリーよりも消費エネルギーが多くなり、身体全体の脂肪が均等に減少することである。特定の部位の運動だけを行うと、筋肉が増えることはあっても脂肪が減る可能性は非常に低いという。
脂肪は減少しているかもしれないが、砂糖や塩などが加えられている可能性がある。「脂肪含有量が減った」という文言が必ずしも「低脂肪」であるわけではない。
「有酸素運動だけでもいいのか？」
有酸素運動は脂肪を早く燃焼させ、無酸素運動、つまり筋力トレーニングは体に筋肉を形成する。体重を減らし、引き締まった美しい体を作るためには、2つの運動を併用することが必須である。
健康を維持するためには、様々な食べ物を摂取する必要があるように、運動もバランスよく行うべきである。有酸素運動で全体的なウォーミングアップを行い、筋力運動で筋肉を作り、再び有酸素運動で締めるのが最も効果的である。
ふくらはぎや腕の筋肉が大きくなることを心配する女性が多いが、一般的なダイエット運動の強度ではボディビルダーのような筋肉を作ることはできないため、安心して筋力運動を行っても良い。
「おやつは体に悪い？」
ダイエット中は三食をしっかりと摂り、おやつは制限すべきだと考えられている。しかし、健康的なおやつは異なる。おやつは満腹感を長時間保ち、ダイエットの継続期間を延ばすのに役立つ。
英国心臓財団は、自分の好きな食べ物をすべて諦めることはダイエットの継続に無理を強いる可能性があると指摘している。昼食と夕食の間に、にんじんのような食物繊維が豊富な野菜スティックや血糖指数が低くビタミンが豊富なイチゴやリンゴ、不飽和脂肪酸が豊富なナッツなどの栄養満点おやつを摂取すると、活力を高めることができる。
「たくさん食べても運動すれば大丈夫？」
運動を楽しむ人でも、食事の調整に苦労する人が多い。しかし、食事の調整をせずに運動を続けると、ダイエットに失敗することが多い。
普段の摂取量が基礎代謝量よりも少なかった場合は、特に食事調整をする必要はないが、大多数は食べ過ぎて体重が増えるため、食習慣の改善が必要となる。
ジムなどに設置されたインボディ測定器で正確な基礎代謝量を測定したあと、100〜200カロリー少ない食事内容を考え、1日1時間程度の高強度運動を併せて行うことで健康的な体重減少を達成することができる。
「流行のダイエット方法を試した方がいい？」
ファッショントレンドのように、ダイエットにも流行がある。短期間の流行ダイエットは長期的には失敗する可能性が高いと言われている。誰もが知っているように、カロリー摂取を減らし、運動量を増やす方法以外のものは、検討の余地が大いにある。
「カロリーが低ければ何でも食べていい？」
食べ物を食べる前にカロリーを確認する習慣は良いが、栄養成分表を見ることが大切だ。同じカロリーでも、どの栄養素で構成されているかによって体に与える影響が異なるためだ。
精製された炭水化物と液状果糖、飽和脂肪の割合が低く、食物繊維とタンパク質、ビタミン含量が高い食べ物を選ぶべきである。高タンパク食品は満腹感を長く維持し、筋肉形成に役立つので、同じ150カロリーの豆乳1パックとロールケーキ一1切れがあるならば、豆乳が賢明な選択である。