教育レベルが高いほど認知症を発症するリスクは低いとされてきたが、一方で診断後の寿命は短くなる傾向があることが新たな研究で明らかになった。
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先月8日、オランダのエラスムス大学の研究チームは、医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)」を通じてこの研究結果を発表した。
研究チームは、教育レベルと認知症に関する36件を含む261件の研究を分析し、認知症患者の平均生存期間が10.5年であることを明らかにした。ところが、教育年数が1年長くなるごとに平均寿命が約0.2年(約2.5カ月)短縮されることが分かった。これは、学士号取得者が高校卒業者よりも約1年早く亡くなる可能性があることを意味する。
研究チームは「高等教育を受けた人々は認知機能の低下に対する耐性が高く、病気の兆候や症状が現れずに長期間機能を維持できるため、認知予備力が枯渇し認知症と診断される頃には、すでに基礎疾患がより進行した段階にあり、臨床的な進行が加速する可能性がある」と指摘した。つまり、知能が高い人ほど、認知症が進行した段階で診断を受けることになり、その結果、治療や病気の進行を遅らせることがより困難になるという。
また、研究チームは今回の調査で、年齢と性別による認知症診断が平均余命に与える影響も分析した。研究によると、男性は65歳で診断を受けた場合、平均5.7年、85歳で診断を受けた場合は平均2.2年生存した。女性の場合、それぞれ8.0年から4.5年であった。さらに、アジア人は他の人種よりも生存期間が長く、アルツハイマー病患者は他の種類の認知症患者よりも長く生存することが分かった。また、認知症と診断された人々は、その後の人生の約3分の1を介護施設で過ごし、半数以上が5年以内に施設へ入所することが明らかになった。
一方、昨年11月に英国のユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームが発表した調査によると、高学歴者や知的能力を要する職業に就いている人々は、より多くの精神的刺激を受けるため、認知障害や認知症を発症するリスクが低いことが確認されている。ただし、この研究では、特定の社会経済的要因が認知機能に与える影響を正確に説明することはできなかった。