睡眠時の姿勢は健康に大きな影響を与える。特に持病がある場合、寝る姿勢を調整することで症状の緩和につながることがある。ここでは、症状別に最適な睡眠姿勢を紹介する。
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逆流性食道炎
逆流性食道炎の人は、左向きに寝るのがベストだ。オランダ・アムステルダム大学の研究によると、左向きで寝ることで食道が酸にさらされる時間が短くなるという。これは、胃が体の左側に位置しているため、左向きに寝ると食べ物が自然に下がり、消化がスムーズになるためだ。逆に右向きに寝ると、胃酸が食道に逆流しやすくなるため注意が必要だ。
便秘・下痢
便秘の場合は左向きに寝るとよい。この姿勢は消化管の流れを助け、老廃物の排出を促進するため、便秘解消につながる。一方、下痢のときは右向きに寝るのが効果的。この姿勢をとることで、腸内の内容物が長く留まり、排便の回数を減らす効果が期待できる。
尿路感染症
尿路感染症のときは、胎児のように丸まる姿勢で寝るか、足を少し開いて仰向けに寝るのがよい。これにより膀胱への圧力が軽減され、不快感を和らげることができる。
歯ぎしり
歯ぎしりが気になる人は、横向きに寝るのがおすすめだ。研究によると、歯ぎしりをする人の約82%が口呼吸をしており、睡眠時無呼吸症候群のリスクも高いという。横向きに寝ることで口が開きにくくなり、顎の筋肉の緊張が和らぐため、歯ぎしりの改善につながる。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群の人も、横向きに寝るのが理想的だ。この疾患は睡眠中に一時的に呼吸が止まるのが特徴だが、横向きに寝ることで気道が確保され、呼吸がスムーズになる。
鼻づまり
鼻づまりがひどいときは、仰向けに寝て枕で頭と肩を45度の角度に上げるのがよい。この姿勢は粘液の流れを改善し、呼吸がしやすくなる。逆にうつ伏せで寝ると鼻づまりが悪化する可能性があるため避けたほうがよい。