英タレント、約950万円の美容整形を後悔 うつ症状や副作用に苦しむ
英メディア「ザ・サン」は17日、タレント兼モデルのクローイ・ペリー（29）が約950万円を費やした美容整形手術について後悔の念を明かしたと報じた。
ペリーは最近出演したポッドキャストで自身の整形経験を赤裸々に語った。「過去数年間に受けた整形手術を後悔している。そもそも最初から手を出すべきではなかった」と述べた。これまでに豊胸手術、鼻の整形、脂肪吸引、BBL（ブラジリアン・バット・リフト）など、総額約950万円を整形費用に投じたという。しかし、その結果は決して理想的なものではなかった。
「完璧になりたかったけれど、今はそんなことに意味がなかったと気づいた」とペリーは語る。「一度整形をすると、別の部分も気になり始めて、まるで整形中毒に陥ったようだった。結局は自己嫌悪と憂鬱な気分が続くばかりだった」
整形中毒とは、美容整形に過度に依存する心理状態を指す。アルコール依存症やギャンブル依存症のように正式な精神疾患として分類されるものではないが、広義の依存症の一種とされる。「タレントとして、面白さや会話のセンスで評価されるべきだったのに、BBL手術を受けたことで『ヒップ整形のクローイ』というレッテルを貼られるようになった」と述べた。
豊胸手術のリスク…シリコンによる免疫力低下も
豊胸手術では、シリコン製のインプラントを挿入するのが一般的だが、これには複数の副作用が伴う。シリコンは体内の免疫システムに影響を与え、自己免疫疾患を引き起こす可能性があるとされる。また、代表的な副作用の一つが「カプセル拘縮」である。インプラントの周囲に異常に厚い被膜が形成され、硬い触感を引き起こす。症状が進行すると痛みが生じ、最悪の場合、胸の形が不自然に歪むこともある。こうした問題が発生した場合、専門医の診断を受け、必要に応じてインプラントの除去や交換を検討する必要がある。
鼻の整形では、鼻筋や鼻先、鼻孔の形状を調整する手術が行われるが、外見の変化だけでなく機能的なリスクも伴う。手術後に炎症や皮膚の収縮、組織の壊死が生じることがあり、呼吸困難を引き起こす可能性もある。また、自家軟骨やシリコン、ゴアテックスなどの素材が使用されるが、これらの選択によって仕上がりやリスクが大きく異なるため、経験豊富な専門医と十分に相談した上で手術方法を決めることが重要である。
脂肪吸引、高度な技術が必要
脂肪吸引術は、専用の機器を用いて強力に脂肪を吸引する手術で、高度な技術と豊富な経験が求められる。大量の脂肪を一度に除去すると、体内の電解質バランスや血液循環に影響を及ぼし、深刻な健康リスクを招く可能性がある。特に、非専門医による施術では、吸引部位に内出血や強い腫れなどの副作用が発生しやすい。また、過度な脂肪除去により、血圧が急激に低下し、重篤な健康被害につながる恐れもある。
BBL手術、致命的リスクも
ヒップ拡大術である「BBL手術」は、かつては人工フィラーやシリコンインプラントを挿入する方法が主流だったが、近年では胸や腹部、背中などから採取した自己脂肪をヒップや骨盤に移植する全身整形として普及しつつある。しかし、この手術は極めて危険性が高いことで知られる。その理由の一つが、ヒップには心臓へ直接つながる「下大静脈」という大きな血管が存在する点だ。BBL手術では、長いカニューレ（体内に挿入する管）を使用するが、熟練した医師であっても、その先端を完全にコントロールするのは困難である。脂肪が誤って静脈に入り込むと、最悪の場合、致命的な脂肪塞栓症を引き起こすリスクがある。さらに、この手術では最低でも3～5箇所を大きく切開する必要があり、大量出血の危険性も高まる。こうしたリスクから、BBL手術は「最も危険な美容整形の一つ」と警告されることが多い。
